[CLOSE UP]喜多川修平(琉球ゴールデンキングス)実直なプレーを重ねる仕事人が見せる『クリエイティブ』と『決定力』

2016/12/03
Bリーグ&国内
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文=大島和人 写真=B.LEAGUE

キャッチ&シュートから、ゴールにアタックできる選手へ

「自分はシュートを打って決めることが仕事」。喜多川修平はそう言い切る。

琉球ゴールデンキングスは特定の選手に依存せず、ボールと人を旺盛に動かしつつチームで攻めるチームだ。それでも喜多川の『決定力』に依る部分は大きい。実際に今シーズン、彼はチーム最多の1試合平均14.1得点を挙げている。2日の仙台戦も喜多川は19得点を挙げ、いつもの仕事をした試合だった。

31歳の喜多川は新しいテーマを持ってBリーグ初年に臨んでいたという。「去年はキャッチ&シュートが主な自分のプレーだったと思う。今年はしっかりゴールにアタックするということを、ドライブも含めて意識して、外を止められても中で点数を取るという形を意識的にやっている。あとはファウルをもらいフリースローで点数を取っていくということも課題として、シーズンが始まる前にやっていた」

彼は2日の仙台戦で、前半に3ポイントシュート2本を含む10本を決めるなど、キャッチ&シュートをしっかり実行していた。そして第3クォーターに入ると『課題』の成果を出す。彼はこう振り返る。「前半は外回りだけのシュートになってしまって、(攻めが)重たくなってしまった。後半はしっかりバスケットにアタックしてから、プレーをしようと思っていた」

彼は果敢なドライブから第3クォーターの残り4分11秒、残り0分29秒と2つのファウルを得た。そしてこれによって得たフリースロー4本をしっかり決めた。まさに『ゴールへしっかりアタック』した結果だ。

喜多川のフリースロー成功率は現在B1最高の93.8%(12月2日時点)。シュートの名手が近い距離からフリーで打てるのだから、なおさらドライブは武器になる。

2日の仙台戦に勝利したことで、チームは連敗を『4』で止めた。11月は1勝6敗と苦しんだ琉球だが、ここから建て直していかなければいけない。喜多川は序盤戦に低迷した要因を「個人個人が頑張りすぎてしまって、チームでバスケットできていなかった」と説明する。しかし三河と戦った前節は2試合とも惜敗に終わったものの内容面では盛り返し、仙台戦は今シーズン初の100点ゲーム(104-83)で快勝することができた。チームは上昇基調にある。

堅実な働きを積み重ねて琉球で信頼を得た『仕事人』

11月28日には、喜多川にとってうれしいサプライズがあった。Bリーグのオールスター戦のファン投票における「SF/PF・C枠」で、彼は1位の得票数を得ていた。彼は少し照れながらこう喜びを口にする。

「一番びっくりしているのは僕かなと思うんですけど……。今までオールスターはランキングにすら入ったことがなかったので、途中経過を見た時は『えっ』、『本当かな?』というのが正直な思いでした。でもそれだけ投票してくださったファンの方がいるので、すごく光栄なことですし、すごくうれしかったですね」

浮かれたコメントをせず、良い意味で『堅い』受け答えを続ける彼だが、ファン投票に関する質問では流石に少し表情を崩した。

喜多川は全国的な注目を浴びた9月22日のBリーグ開幕戦(アルバルク東京戦)でも両チーム最多の16得点を挙げ、その後もしっかり目立つ結果を残している。加えて琉球というブースターの多いクラブに所属しているというアドバンテージもある。とはいえ、彼はまだ琉球に加入して2年目で、沖縄の出身でもない。この得票数は間違いなく彼がプレーでアピールし続けた結果だ。

アイシンシーホース三河(現シーホース三河)からの移籍は大きな転機だった。「沖縄にいるとファンの方が声を掛けてくださって、『頑張ってね』という声もいただける。身が引き締まる思いでいつもいます」と彼は言う。

忠実で確実性の高いシュートがあってこそ、クリエイティブなプレーも引き立つ。それがバスケというスポーツだ。いかにも実直そうな、職人肌の喜多川だが、だからこそ彼は琉球のファンに喜びをもたらしている。

「投票の結果にびっくりしているのもありますが、もっとそういうファンの人たちのためにもパフォーマンスを上げて、いいプレーを見せていきたいなと思います」

彼はファンの大きな期待を受け止め、それをエネルギーに変えて、これからも進化し続けるだろう。