テレンス・マン

ポール・ジョージが称賛「彼がアグレッシブであればウチのチームは変わる」

カワイ・レナードは今シーズン開幕のレイカーズ戦と3試合目のサンズ戦でそれぞれ21分プレーしただけで、以後は右膝の痛みにより欠場が続いている。

個人のワークアウトは行っているが、チーム練習にはまだ参加できず、復帰時期は決まっていない。ヘッドコーチのタロン・ルーは「少しずつではあるが良くなっているが、予定通りではない」と言う。「前十字靭帯断裂のケガは甘くないと開幕前から想定はしていた。大事なのは少しずつでも回復することで、我々はメディカルスタッフの判断を尊重する」

チームは6勝5敗と、苦しみながらも及第点の結果を残している。チームリーダーのポール・ジョージは「これがシーズン序盤なのは幸いだ。いずれチームは調子を上げ、しかるべきタイミングで最高のバスケができるようになると、僕は楽観的に考えている。今は『成長痛』を感じているところさ」と話す。

カワイの欠場が長引くことで、他の選手の負担は増える。ジョン・ウォールは良いプレーを見せているが、アキレス腱断裂を経験しているために2日連続の試合はどちらかを欠場しており、11月7日のキャバリアーズ戦ではレジー・ジャクソンも左膝を痛めて出られない可能性もあった(結局はスタメン出場している)。

ただ、若い選手にとっては話は別だ。テレンス・マンは一昨シーズンに主力に定着し、NBAキャリア4年目の今シーズンはさらに上の存在へステップアップしようとしている。本来はシューティングガードだが、ポイントガードとしてゲームを作る器用さもあれば、ウイングに必要な力強さとスピードもある。その万能性は、選手のやりくりが難しい今のクリッパーズに重宝されている。

直近の2試合、ジャズ戦ではルーク・ケナードが欠場、キャバリアーズ戦ではジョン・ウォールが休養する中で、先発に回って30分とプレータイムを伸ばしたマンは攻守に奮闘した。この2試合で14得点、16得点を記録。キャブズ戦では彼がプレーメークを担当する時間帯も長く、5アシストも記録している。

「毎回のように異なるポジションを任されるのは大変だよ」とマンは言うが、その表情は明るい。それが信頼の証であり、選手として頼りにされていると受け止めているからだ。彼は試合ごとに指揮官ルーとコミュニケーションを取り、どのポジションで、どんなプレーをするべきか話し合っていると明かした。

好調キャブズの連勝を8で止めた試合では、「PG(ポール・ジョージ)が最近すごいプレーを続けているから、ディフェンスが彼を止めに来て、キックアウトや(イビチャ)ズバッツのロールが使えるのは分かっていた。カッティングの決まり事を実施しただけ。でも、良い仕事ができたと思う」と語っている。

カワイ不在のチームを引っ張るジョージは、攻守に奮闘して自分を支えてくれるマンを頼もしく思っており、「彼本来のエネルギーが戻ってきたね。彼はチームのためにどんなプレーもできる。ディフェンスし、チームのためにオフェンスを作る。彼がアグレッシブであればウチのチームは変わるんだ」と語る。

クリッパーズにとって我慢の時は続きそうだ。それでもジョージが考える「しかるべきタイミングで最高のバスケができるようになる」が実現した時、そこには様々な経験を経て大きく成長したマンの姿があるはずだ。