富樫勇樹

「ウイングの選手というよりはハンドラーの選手がキーになる」

バスケットボール男子日本代表はワールドカップ予選Window5でバーレーン、カザフスタンとアウェーで戦う。

西田優大、比江島慎の2人がコンディション不良によりチームから離脱し、馬場雄大も不参加のため、ハンドラーとなれる選手が限られている。そのため、ゲームメークを主な役割とするポイントガードへの負担はいつも以上に重くなる。

富樫勇樹は「ウイングの選手、点数が取れるハンドラーの選手が今回いないので、僕や河村(勇輝)選手だったり、ポイントガードの役割がかなり増えるんじゃないかなと思う」と言う。

千葉ジェッツでの富樫は自らが中心ということもあり、シュートアテンプトも多く個で打開するシーンが多く見られる。だが、代表での富樫はゲームメークを優先し、自身が突破口を開く回数は少なく、どこかバランスを取っているようにも映る。実際に富樫も「今まではそういう選手(スコアラー)にボールを預けるため、いろんなコールをしていることもかなりありました」と、これまでのスタイルについて明かした。

それでも、指揮官のトム・ホーバスが「点数を取ってもらう」と注文をつけたように、富樫はいつもよりオフェンシブにプレーすることが求められている。「ハンドラーが多くないということで、僕や河村選手や(テーブス)海だったり、ポイントガード陣がそこをやっていかないといけないと。しっかりそこを意識して、練習からやっていきたい」

富樫は今回のメンバーの中で代表経験が豊富な部類に入り、1番手のポイントガードとして確固たる地位を築いている。そんな富樫は、リーグで好パフォーマンスを継続中の河村やテーブスら若手ガードの台頭を喜びつつ、ライバル視もしている。「日本代表の選手としてプレーした経験がすごく自信になって、Bリーグに生きているというのは間違いなくあると思います。今まで対戦したことのないアジアの選手と対戦したり、技術面もそうですけど、一番はメンタルの部分で成長しているかなと。特に今シーズンはいろんなポイントガードの選手が開幕から活躍している印象があるので、負けじと頑張りたいです」

また、これまではライバルとしてともに代表ポイントガードの座を争い、今回は2番として追加招集されたベンドラメ礼生をキープレーヤーに挙げた。「ウイングの選手というよりはハンドラーの選手がキーになるのかなと。今回はベンドラメ選手が2番で呼ばれたり、コー(フリッピン)が2番で出る時間が増えると思います。そういう選手がどれだけクリエイトして得点もアシストもできるかというのはすごくキーになってくると思うので、ベンドラメ選手に期待しています」

今回のWindow5では富樫を筆頭にガード陣の活躍がこれまで以上に求められる。ハンドラーを兼任できるウイングの選手が少ない緊急事態だからこそ、新たな代表のスタイルを見せてほしい。