ケビン・デュラント

デュラントが渡邊にパスを送ったシーンを『信頼』の代表例に挙げる

ネッツはシーズン開幕直後に4連敗と出だしでつまずくと、7試合終了時点でヘッドコーチのスティーブ・ナッシュが双方合意で退任とゴタゴタが続いた。しかし、現在のネッツは暫定ヘッドコーチを務めるジャック・ボーンの下で連勝中と、上向き始めている。

現地5日のホーネッツ戦では第4クォーター残り6分半から21-7のランで98-94と見事な逆転勝利を収めた。ネッツの大黒柱ケビン・デュラントはこの試合でも27得点とさすがのプレーを見せたが、このビッグランはデュラントの個人技に依存するのではなく、パスを散らすチームオフェンスから生まれたモノだった。

ネッツが復調しているのは、選手たちがお互いを信頼してチームでプレーできているから。ボーンヘッドコーチは『信頼』を強調するプレーとして、デュラントからのパスを受けた渡邊雄太が3ポイントシュートを決めた場面を挙げた。

ボーンは言う「試合後、ある一つのプレーについてみんなに語った。渡邊雄太に『ケビン・デュラントと会ったことがあるか』と聞いたら彼は『ノー』と答えた。それでも試合の終盤、ケビンは右サイドからドライブを仕掛け、コーナーでオープンになっていた渡邊雄太にパスを出した。試合を通して選手たちは互いを信頼していた。あのプレーはその代表的なものだった」

この件について聞かれたらデュラントも、指揮官の発言に同意している。「雄太と前に会ったことはあるけど、座ってじっくり話したことはない。だから、彼は違うと言ったんだと思う。ただ、待ってくれ雄太、僕たちは一緒にバスケをしたことがあるだろって感じだね。でもコーチの言うことは分かる。よく知らない選手でも信頼する。誰がコートに立っていてもオープンになったらパスをする。そうすることで(互いを信頼する姿勢が)共鳴していくと思うんだ」

ホーネッツ戦での渡邊は8得点3リバウンド3アシスト2スティール1ブロックと攻守で活躍し、第4クォーターは10分間コートに立ち続けた。ここ一番でデュラントのアシストから3ポイントシュートを沈め、さらに反撃の中心となったことで、チームからの信頼をより高めたことは間違いない。