ラッセル・ウェストブルック

「私は君のエネルギーとアグレシッブさが大好きだと伝えた」

現地11月2日、レイカーズはオーバータイムの末にペリカンズを120-117で下し、今シーズン初の連勝をマークした。

今シーズンのレイカーズは泥沼の開幕5連敗と苦戦したが、それまで戦犯扱いされていたラッセル・ウェストブルックを先発から外したことが転機となった。ルーキーイヤー以来となるベンチスタートとなったウェストブルックだが、パワフルなドライブやピンポイントパスを連発し、全盛期のような輝きを放ってチームに勢いをもたらした。

レイカーズがシーズン初勝利を挙げたナゲッツ戦では、ベンチから32分の出場で18得点8リバウンド8アシストを挙げ、出場時の得失点差を表すプラスマイナスではチームハイの+18を記録。ターンオーバーも3本に抑えて、チームの勝利に貢献した。ペリカンズ戦でもベンチから25分出場し、13得点7リバウンド9アシストとトリプル・ダブル級のスタッツを残したが、ターンオーバーは6を数えた。そして、指揮官のダービン・ハムはウェストブルックのポジティブな部分を引き出そうとコミュニケーションを取り続けた。

ペリカンズとの試合後、ハムは「私は君のエネルギーとアグレシッブさが大好きだと伝えたんだ。もし、上手くいかなかったらトランジションで全力疾走して戻るだけだとね」とウェストブルックとの会話を明かした。「私はトレーニングキャンプの時から、チームにディフェンスを第一に伝えていた。それにいつだって『ネクストプレー』のメンタリティを持たなければいけないともね。彼はチームのためにアグレッシブにリングにアタックしてくれていたから、私はラスに『ターンオーバーは気にするな』と伝えた。自分ではファウルだと思うことだってある。それでも、笛が鳴ろうが鳴るまいが、シュートミスでもパスミスでも、どんな結果になろうと次の行動に移らないといけない。もし、一つのプレーを気にして精神的に立ち直れなかったら、さらに3つ4つと悪いプレーが出てしまうからね。だから私は『大丈夫だ、心配するな。次のプレーを考えるんだ』と彼を鼓舞し続けた」

ルーキーイヤー以降、13シーズンずっと先発を務めていたベテランのウェストブルックにベンチスタートを受け入れさせるのは簡単ではなく、ウェストブルック本人も少なからずショックはあっただろう。それでもハムは「私は彼に『必ず成功する。だから、私を信じてくれ』と言った」と先発から外した時のことを明かした。「これはチームを助けることになるとも伝えたよ。実際に、彼はベンチから出てチームを助けてくれている。得点やリバウンド、アシストだけでなく、オースティン(リーブス)やマット(ライアン)、ウェニェン(ゲイブリエル)にも自信を与えてくれている」

こうウェストブルックを称えたハムは「私のわがままだけど、ラスをシックスマン賞の候補にすることが、私の目標の一つでもあるんだ」と語った。「試合序盤は苦戦していたが、彼はコートに出てくるとチームをプッシュしてくれた。この試合でのラスは、間違いなくチームにポジティブな影響を与えてくれたよ」

2勝5敗と黒星が大きく先行している状況に変わりはない。それでも、ウェストブルックに新たな役割を与え、チームに変化をもたらしたハムヘッドコーチであれば、この逆境も跳ね返してくれるに違いない。