タイソン・チャンドラー
写真=Getty Images

「あらゆる部分で良い影響を与えてくれている」

試合終了直後、タイソン・チャンドラーは会場の大歓声にかき消され、レブロン・ジェームズの言葉が聞き取れなかった。試合後ロッカールームで取材に応じたチャンドラーの近くにいたレブロンは、「俺は『それでこそ俺の仲間だ!』って言ったんだよ」と横から茶々を入れ、チャンドラーを笑わせた。

まだレイカーズに加わって3試合目だが、チャンドラーはいずれの試合でも勝敗を分けるプレーを決めている。11月11日にホームで行なわれたホークス戦では、試合終了のブザーと同時にトレイ・ヤングのレイアップをブロックした。107-106で逃げ切ったレイカーズは、今シーズン初の3連勝をマークした。

106-107で迎えた第4クォーター残り19.9秒、2本のフリースローを獲得したレブロンはどちらも失敗したが、リバウンドを奪ったカイル・クーズマが粘ってレイアップにいった。これも決まらなかったが、リバウンドを掴んだレブロンがそのままボースハンド・ダンクで叩きつけ、レイカーズが土壇場で勝ち越した。

ホークスから最後のプレーを託されたルーキーのヤングは、ブランドン・イングラムを振り切り、リムに向かって一直線にアタックしてレイアップ。このコースを読んでいたチャンドラーが空中でボールに触れて軌道を変え、試合終了のブザーが鳴り響いた。

試合後の会見で、指揮官のルーク・ウォルトンは、「彼の影響はプレーにだけ現れているわけではない。ハドルでの言葉、練習中のコミュニケーション、あらゆる部分で良い影響を与えてくれている。」とチャンドラーを称賛した。

昨日のキングス戦に続いて、2日続けてリーグ屈指のハイペースなオフェンスを展開するチームを相手に、守備で勝てたのは大きい。チーム一丸となって勝つ方法を見出せているからこその結果だが、チャンドラーが守備と言葉で闘志を注入していることも、勝因の一つに挙げられる。

36歳のチャンドラーは、わずか数日前まで西カンファレンス最下位のサンズでプレータイムを得られていなかったにもかかわらず、今は地元ロサンゼルスの名門チームで勝利に貢献できている。チャンドラーは言う。「あまりにも展開が早いけれど、自分が置かれている立場、キャリアでの時期を考えると、すべてに感謝しているんだ。とにかくチームを優先してやっている」

3連勝で西の7位に浮上したレイカーズは、14日に4連勝中のトレイルブレイザーズをホームで迎え撃つ。現在西カンファレンス2位と、言わば格上の相手であるが、ブレイザーズにも勝てれば、この勢いと実力は本物と言えそうだ。