カワイ・レナードの欠場は続くも「誰がいて誰がいないかは関係ない」
10月31日、クリッパーズはロケッツに95-93と競り勝って連敗を4で止めた。カワイ・レナードがケガから復帰した今シーズンは優勝候補に挙げられたが、開幕2連勝の後に4連敗を喫し、レナードも膝の痛みを訴えて2試合にしか出場していない。このロケッツ戦だけでなく、それに続く敵地での2試合に帯同しないことも決まっており、シーズン序盤からチームを取り巻く雰囲気は非常に重かった。
そんなクリッパーズを救ったのが、カワイと並ぶチームリーダーのポール・ジョージだ。38分間のプレーで35得点9リバウンド8アシスト6スティール2ブロックと堂々の出来。しかもラスト1分を切って3点ビハインドの場面で正面からの3ポイントシュートを決めて同点とすると、続くポゼッションではエリック・ゴードンの厳しいディフェンスに体勢を崩されながらもフェイダウェイのジャンプシュートを沈めた。いずれもチームはジョージのアイソレーションを選択。その期待に応えてチームを逆転勝利に導いた。
「ラインナップに誰がいて誰がいないかは関係ない。僕はすべての責任を背負ってプレーする」とジョージは言う。「自分のプレーもそうだし、チームの開幕からの出来についても自分の責任だと思っている。正直、連敗していてプレッシャーは大きかった。対戦相手に失礼なことは言いたくないが、強豪相手に戦っているわけじゃないのに連敗していて、負け方も悪いわけだから」
指揮官タロン・ルーはそのジョージの活躍ぶりにこうコメントしている。「今の我々は持てる武器すべてを駆使して戦わなければならないが、今日は彼がデカい仕事をやってくれた。そして今日は相手を93得点に抑えたディフェンスも良かった。このディフェンスを継続していれば、どこかでシュートを決めればいいんだ」
そのディフェンスについても、ジョージには期するものがあった。先のペリカンズ戦で敗れた後、アソシエイトヘッドコーチのダン・クレイグから「もっとディフェンスでも頑張れ」と檄を飛ばされていたのだ。ジョージは「僕自身にとって良いチャレンジだと受け止めた。試合最初の6分間と最後の6分間、両チームでベストディフェンダーになるってね」と言う。
それは有言実行だった。試合終盤の連続クラッチシュートの間のディフェンスで、ドライブで仕掛けるゴードンの意図を読み取り、ジョージは見事なスティールに成功している。まさに勝負どころで攻守に違いを見せるパフォーマンスだった。
これで連敗脱出だが、クリッパーズが一息つくのは続くアウェー2連戦、ロケッツとスパーズに勝ってからになる。いずれもジョージが言うところの「強豪相手に戦っているわけじゃない」試合だからだ。ただ、カワイは右膝の治療のため欠場が決まっている。
指揮官ルーは言う。「カワイはストレスを溜めている。プレーしたいのにコートに立てず、遠征に参加することさえできない。ドクターの指示で治療を優先することになった。ただ、それを言い訳にはしたくない。どのチームにもケガ人はいるし、やりくりして戦っていくしかないんだ」