渡邊雄太

写真=Getty Images

攻守に存在感、もはやGリーグでの活躍は驚きに当たらず

グリズリーズの傘下チーム、ハッスルはシーズン4試合目をホームで行い、スパーズに132-86と快勝。これで通算成績を2勝2敗とした。

開始から3分半で11-0とロケットスタートを決めたハッスルは、攻守にスパーズを圧倒。果敢なドライブを再三仕掛けてはインサイドを破り、相手を飲み込む。渡邊雄太は持ち前のフットワークで堅いディフェンスを構築し、攻めでもタイミング良くインサイドに飛び込んでは相手ディフェンスを崩すきっかけを作る。ただ、オフボールで良い動きをしてもパスが回ってこず、正面から放った3ポイントシュート1本を外しただけで、あとは自分で打つチャンスが来ない。余裕の展開とあって渡邊は第1クォーター途中でベンチに下がったが、チームはセカンドユニットになっても勢いが衰えず、第1クォーターで37-15と大量リードを奪った。

第2クォーターにコートに戻った渡邊は、次々とリバウンドを取って守備で貢献。そしてフットワークの重い相手センターを外に引っ張り出して、シュートチェックに来られないのを見越して放った3ポイントシュートを決めて、この試合での初得点を記録。さらに残り1分には相手の軽率なパスを狙い打ちでスティールに成功。そのままワンマン速攻をダンクで決めた。

前半を終えて59-30と楽勝ムードだったが、ハッスルは気を緩めない。第3クォーター途中には渡邊が右ウイングの位置からドライブで相手ディフェンスの密集地帯をかいくぐり、長い腕を伸ばしてレイアップを沈めると、次のポゼッションでは味方の3ポイントシュートが外れたこぼれ球を拾って即座にミドルジャンパーを沈め、続くポゼッションでは今度は左サイドからドライブで仕掛け、ディフェンスの注意を引き付けて味方のイージーシュートをアシスト。3連続得点を演出した渡邊は、最後に自らのドライブでスペースを作ってのジャンプシュートを決めて11得点。86-43とこの時点で勝利を決定付けてベンチに下がると、第4クォーターは出場しなかった。

23分のプレータイムで11得点6リバウンド1アシスト2スティール。フィールドゴール7本中5本成功とシュートも高確率で決めた。フットワークの良さと長い腕を生かしたディフェンスは調子に左右されず、どのポジションの選手とマッチアップしても堅守が計算できる。この長所をベースとして、さらにシュートも効果的に決まるのだから、ハッスルにおいても間違いなくキープレーヤーとなっている。

こうなるとNBAグリズリーズにいつ招集されるのかと期待してしまうが、チームは7勝4敗と好調で、直近ではナゲッツ、シクサーズにチーム一丸のプレーで競り勝っており、チームのバランスは変えたくないところ。それでもひざを痛めて欠場中のオムリ・カスピに加えディロン・ブルックスがシクサーズ戦でのケガで離脱し、現地13日のジャズ戦は欠場の見込み。マイク・コーンリーとマルク・ガソルの2枚看板が好調の今、そのサポートキャストとして良い仕事ができるであろう渡邊にチャンスが与えられることを期待したい。