若手の台頭でENEOSに連勝の富士通レッドウェーブ、町田瑠唯も「勝ち切れたのは今後に繋がっていく」と大きな手応え

若手の台頭でENEOSに連勝の富士通レッドウェーブ、町田瑠唯も「勝ち切れたのは今後に繋がっていく」と大きな手応え

2022/10/30 20:48
町田瑠唯

オフェンスが不調も守備で我慢、終盤の12連続得点で見事な逆転勝利

10月30日、富士通レッドウェーブとENEOSサンフワラーズの強豪対決の第2戦が行われた。初戦を91-54と圧勝した富士通は第1クォーターで8-23と出だしでつまずいたが、ディフェンスで我慢して食らいついていく。第4クォーターに入ると、ここまで不調だったアウトサイドシュートが決まり勢いに乗ると、残り4分を切った場面から12-0とENEOSを圧倒。そして残り1分半、チームハイの17得点を挙げた内尾聡菜の3ポイントシュートで勝ち越しに成功すると、そのまま63-59で逆転勝利を収め、価値ある同一カード2連勝を挙げた。

オフェンス爆発の前日とは打って変わり、この試合の富士通は前半で得意の3ポイントシュートをわずか7本しか打たず、27-13のビッグクォーターを作り出した第4クォーター以外はオフェンスで苦しんだ。しかし、第2クォーター以降はしっかり守備を修正して大崩れしなかったことが勝利へと繋がった。

富士通の大黒柱である町田瑠唯もディフェンスがもたらした逆転劇だったと語る。「勝因は後半の大事なところでのディフェンスをしっかりできたこと。ENEOSさんのやりたいプレーを全員が止める意識でやれていたのが一番大きかったです。こっちのシュートが入っていなくてオフェンスのリズムをつかめていない状況でしたが、ディフェンスは我慢ができていて向こうも嫌がっていたと思いますし、そこが勝ち切れたポイントでした」

今シーズンの富士通は、昨シーズン終了後に篠崎澪と内野智香英が引退し、オコエ桃仁花が開幕直前に欧州挑戦で移籍と主力3名が去ったことでチームが若返った。経験不足な選手も多い中、強豪ENEOSを相手に同一カードで連勝したことの意味は大きいと町田は続ける。「ENEOSさんはずっとチャンピオンチームでしたし、勝ち方を知っているチームです。その相手に対して最後コートに立っていたメンバーは若い選手が多かった中で、勝ち切れたのは今後に繋がると思います」

そして本日、第4クォーターでの8得点を含む12得点を挙げた赤木里帆、昨日は20得点7リバウンドの活躍だった藤本愛妃、アイシンから加入し先発を務めている江良萌香など、新たな主力メンバーとなっている若手選手たちについては、次のように信頼を寄せている。

「元々、能力の高い選手が多いので試合を重ねるごとに自信になっています。勢いのある選手が多いので、勢いに乗ったらそれを続けていけるようにゲームコントロールをしていきたいです。みんな頭の悪い選手ではないのでディフェンスでも相手のプレーを見ながら判断してプレーができています」

町田瑠唯

「チームが目指しているディフェンスをできてきています」

町田自身は第4クォーター終盤に連続得点を挙げるなど勝負強さを発揮し、16得点6リバウンド5アシスト4スティールと攻守に渡ってさすがのプレーを見せた。今夏、WNBAに挑戦したことでチームへの合流も遅れ、十分な調整期間がない中でのシーズン開幕を余儀なくされたが、それでもコンディションや周囲との連携について「悪くはないと思います」と言う。

「シーズンが始まっての試合や練習を重ねていく中で合わせていかないといけないです。そこは一番不安でしたが、開幕から4試合を終えてちょっとずつ噛み合ってきたと思うので、これから細かいことも修正しながらやっていきたいです」

これまでの富士通は、長らく町田と篠崎というリーグ屈指のガード陣が牽引しているチームだった。相棒の篠崎が引退し、さらに世代交代が進んだチームにあって、町田にはリーダーシップの面でもより大きな役割を担うことが期待される。そこは本人も十分に自覚しており、キャプテンの宮澤夕貴とともに若手の指南役を務めていく考えだ。

「もちろん篠崎さんの存在は大きかったですし、チームが困った時によくコミュニケーションを取っていた選手です。難しいとは思いますが、今、宮澤もチームも引っ張ってくれていますし、自分もそこに乗っかることで若い子に繋げることをやっています。試合だけでなく練習でも、これまで篠崎さんや他の選手と『こうしよう、ああしよう』と言っていたことを思い出しながら若い子に伝えていくことを意識しています」

「毎試合、違う若い選手がステップアップしてくれていますが、いつ落ちるのか分からない。チームとしてうまく行かなかった時、乗っていた選手の調子が悪くなった時、どうやって持ち上げていくのかは自分と宮澤の課題になるかと思います」

これで富士通は開幕4連勝を達成。篠崎、オコエと爆発的なオフェンス力を持った選手が抜けた穴を埋めるのは簡単ではないが、ENEOSを2試合続けて60点以下に抑えるなど堅守が光っており、指揮官のBTテーブスも「ディフェンスは去年より強いです。まだ改善するところはありますが、しっかりやっています」と自信を見せる。

そして、町田も同様の手応えを得ている。「まだ、満足はしていないですが足が動く選手が多いので、チームが目指しているディフェンスをできてきています。誰が出てもディフェンスからしっかりやることは富士通のバスケットボールになっていると思います」

この週末、富士通は機動力と連携の取れた、昨シーズンよりも強固なディフェンスを披露した。そこに町田が試合を重ね、台頭している若手選手たちとのコンビネーションをより深めていくことで、どんなチームへと成長していけるのか。この先がより楽しみになる2試合の戦いぶりだった。

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