デマー・デローザン

ドノバンヘッドコーチ「彼のワークアウトは信じられないほど綿密」

現地10月28日、ブルズのデマー・デローザンがスパーズ戦で歴代50人目となる通算20000得点を達成した。

第1クォーター中盤、デローザンは1on1から得意のミッドレンジジャンパーを沈め、通算20001得点目を記録。スパーズの指揮官グレッグ・ポポビッチは元教え子の偉大な瞬間を祝う時間を稼ぐためにタイムアウトを要求した。粋な計らいを見せたポポビッチはデローザンとハグし、偉業達成を称えた。

2009年にラプターズに加入したデローザンは、2年目にルーキーイヤーの2倍となる平均17.2得点を記録して、スコアラーとしてのポジションを確立。平均得点を22.7まで向上させた5年目以降、ここまで10シーズン連続で平均20得点以上を挙げている。3ポイントシュート全盛の現在において、ミドルシュートを多投するデローザンのスタイルは疑問視されたが、ノイズをかき消し偉大な記録を達成した。

デローザンは、自身が20000得点を達成する日が来ることを想像していたかを問われると「そう思っていたと言えば嘘になる」と答えた。「本当に一日一日についてしか考えていない。あまり先のことは考えないようにしているんだ。だってその日が来ないかもしれないし、自分自身にあらかじめ失望を与えたくないからね。だから、一つのことだけに集中してきた。その積み重ねが何であれ、満足のいくものになればいいと思っている」

指揮官のビリー・ドノバンは以前からデローザンの得点力を称賛していたが、昨シーズンにブルズに加入するまでは、彼が持つ向上心の深さを知らなかったという。そして、その飽くなき探求心が偉業達成の背中を押したと分析している。「彼のワークアウトは信じられないほど綿密なんだ。彼は多くのフィルムや試合を見るし、精神的な準備のために多くの作業を行う。私は幸運にも、いくつかの偉大な選手の周りにいた。彼らのルーティンとは少し違うかもしれないが、そのメンタリティーは通じるものがある。細部へのこだわりと集中力がすごいんだ」

試合には敗れたものの、デローザンはゲームハイの33得点を記録し通算得点を20026に伸ばした。33歳とベテランと呼ばれてもおかしくないデローザンだが、今シーズンも平均26.2得点と、その攻撃力に衰えは見られない。卓越したスキルを武器に、どこまで数字を伸ばすのか。この先も注目し続けたい。