ルカ・ドンチッチ

「楽しみながら良い判断をしていくんだ」

ネッツとマーベリックスの対戦は、カイリー・アービングが39得点、ケビン・デュラントが37得点を挙げたネッツに対し、マブスがルカ・ドンチッチの41得点と、NBAを代表するスター選手による見応え満点の激突となった。それでも、勝負どころでのチームプレーの質ではマブスがネッツを大きく上回っていた。

カイリーは一度ボールをもったらほとんどパスを選ばずに自分で攻め続け、39得点は挙げたが何もかも自分でやりすぎ、チームに良い流れを作ったとは言えなかった。デュラントもカイリーほどではないが、自ら得点を決めることを第一にプレーしていた。一方でドンチッチは41得点だけでなく14アシストを記録し、チームオフェンスを動かすとともに、試合全体に影響力を行使している。

両チームとも疲労がプレーに出てくるオーバータイムになって、明暗が分かれた。ネッツはデュラントとカイリーにしか得点がなかったが、マブスは出場した5選手全員が得点を挙げた。ドンチッチ以外の選手が決めた4本のフィールドゴールは、すべてドンチッチがアシストしたもの。ネッツはオーバータイムに出場したベン・シモンズ、渡邊雄太、ニック・クラクストンがシュートを1本も打っていない。

マブスの攻め方は徹底していた、スイッチを促してドンチッチが当たり負けしない相手を選んでアタックに行き、ヘルプが寄ればオープンになったチームメートにパスを出す。試合後のドンチッチは「僕には必ず2人で守りに来るから、そこで正しいプレーを選択できたのが良かった」と語る。

オーバータイムに入り、ティム・ハーダウェイJr.にマキシ・クレーバー、レジー・ブロックが次々と3ポイントシュートをヒットさせて、一気にネッツを突き放した。そのすべてがドンチッチのアシストによるものだ。激しいプレッシャーを浴びる中でも落ち着いて味方を見付け、パスを通せる秘訣は何だろうか。

ドンチッチは「準備あってのことだと思う。練習中に馬鹿みたいなパスを試すことがあって、それを試合でもやってみるんだ。いつも上手くいくわけじゃないけど、いつも正しいプレーをしようと意識している。それと同時に試合を楽しもうとしている。楽しみながら良い判断をしていくんだ」と言う。

ティム・ハーダウェイJr.は「ルカがボールを持ったら、僕らはどうすれば彼がプレーしやすいかを考えて動く」と言い、クレーバーは「ルカはビッグショットを決める力を持っているけど、僕らにパスを出すタイミングも分かっている。僕らはそれに熱くなり、シュートを決めまくったのさ」と語る。

オーバータイムを任された5人のうち、ブロックだけは昨シーズンからの加入だが、ハーダウェイJr.とクレーバー、ドリアン・フィニー・スミスはドンチッチが加入した2018年からのチームメートだ。それだけの時間を過ごしたことで、息の合ったプレーが可能になっている。

「そうは言っても」とドンチッチは笑顔で言う。「正しいプレーを選択できた、プレーを楽しめた、と言えるのは勝ったからだ。だけど、プレーを楽しむのは大事だと思う。それが勝敗のカギになることもあるんだ」