トレイ・ヤング

写真=Getty Images

鳴り物入りの新人でも例外はなし

NBAの新人は、全体1位で指名されようと、60位で指名されようと同じルーキーに変わりはない。ルーキーは、先輩たちの身の回りの世話を含め、新人の仕事をこなさなければならない。そして、NBA選手となったからこそ受けられる『洗礼』も待っている。

今回、避けては通れない不可思議な慣例を体験したのは、ドラフト全体5位指名を受けたホークス新人のトレイ・ヤングだ。この様子を撮影したのはチームメートのジェレミー・リンで、チーム練習施設の駐車場に停めておいた高級車がポップコーンまみれにされる、『ポップコーン・テロ』の犠牲者となった。ヤング以外にも、全体30位で指名されたオマリ・スペルマンの車内も甘い香りに包まれ、彼らが呆然と立ち尽くす姿が収められている。

リンは撮影を続け、車内いっぱいのポップコーンを味見。「これはハイレベルなポップコーンだな」と茶化していたところに、帰ろうとしていたケント・ベイズモアが通りかかり、「ルーキーは、慎ましくいなきゃな」とクールに一言。

犠牲者となったヤングは、この動画を引用し、「面白くなんてないよ」というハッシュタグと絵文字をつけてTwitterに投稿した。

動画をよく見てみると、ヤングはピンクの可愛らしいバッグを背負っていることも分かる。どう考えても本人が好んで使っているとは思えないので、これも先輩たちからの『ギフト』なのだろう。10月21日に行なわれたキャバリアーズ戦で、新人ではウォリアーズのステフィン・カリー以来初となる1試合35得点10アシスト以上をマークしたヤングであっても、例外にはならないのがNBAだ。

この慣例がいつから始まったのか、そして誰が始めたのかは分からないが、きっとシーズンが進むに連れて、沈痛な面持ちで愛車を見下ろすルーキーが続出するはず。もしかするとグリズリーズの渡邊雄太も、シーズン中に『ポップコーン・テロ』の洗礼を受けるかもしれない。