最終クォーターにギアを上げ、逆転への流れを引き寄せる
10月22日に川崎ブレイブサンダースとシーホース三河の第2戦が行われ、三河が77-75で接戦を制した。
三河は試合序盤から第1戦に続いてディフェンスが機能し、川崎のターンオーバーから25得点を奪った。オフェンスでは、チームハイの19得点を記録したダバンテ・ガードナーを筆頭に、今節の2試合で7本の3ポイントシュートを決めたシェーファー・アヴィ幸樹や、一試合を通じて内外問わず得点し続けた西田優大など日本人選手の活躍も目立った。
ガードナーとシェーファーに続き、チーム3番目となる13得点を挙げた西田は試合をこのように振り返った。「出だしから川崎のエナジーに負けることなくプレーできたと思います。第3クォーター序盤にチームの動きが少し重たくなってしまいましたが、その時間にしっかり我慢できたのが勝因でした」
西田が話したように三河がリードして迎えた後半は、前半好調だったシュートが徐々に乱れ、川崎に逆転を許してしまう。しかし、第4クォーター序盤に川崎のチームファウルが4つに達したのを見た西田がギアを上げる。川崎のゾーンディフェンスに対してドライブやシュートを前半以上に積極的に狙い、残り8分22秒に見せたバスケット・カウントを含む3連続得点で1点差にまで迫り、チームに逆転への追い風を吹かせた。
またディフェンスでは川崎のマイケル・ヤングジュニアのマークにつくと、俊敏なフットワークと当たり負けしないフィジカルで、ゴール下への侵入を完全にシャットアウトする。西田は7月に、日本代表としてアジアカップに出場するなど国際大会で経験を重ねており、今節のように外国籍選手に対しても委縮することはない。西田は自身のディフェンスのレベルアップについてこのように分析する。
「日本代表での経験もそうですが、Bリーグ全体にペリメーターの外国籍選手が増えてきているので、試合のマッチアップで一番鍛えられています。また、チームに同じポジションのアンソニー・ローレンス二世がいて、日々彼と練習していることで試合でも対応できるようになっていると思います」
強力な外国籍選手と共闘する中で、自分の役割を見いだした西田
今シーズンの三河はオフに大きな動きを見せず、昨シーズンから契約を継続した若手選手を中心に戦っている。チームは開幕から3連敗と最悪のスタートとなったが、今回の連勝で勝率を5割に戻した。また、フィールドゴールの試投数はリーグトップの509本とポジティブな要素も徐々に見えてきている。
そして今シーズンの三河は、4年目を迎えたスコアラーのガードナーと昨シーズンの中盤から戦うローレンス二世に加えて、NBAで8シーズンを過ごしたカイル・オクインなど、強力な外国籍選手がスコアの大半を占めている。オフェンスは外国籍選手が中心となっている中、西田は自身の役割について次のように話した。
「オクインが入ったことによって、オフェンス面に限らず、チームが昨シーズン課題としていたリバウンドをかなり助けてもらっています。(外国籍選手が活躍している中で)自分が勝負どころでシュートを決め切れるように、しっかり打っていきたいです」
日本代表の経験を糧に、三河で結果を残しつつある西田。次節はアウェーで同地区の三遠ネオフェニックスと対戦する。バイウィーク前最後の試合を勝利し、中地区上位をキープするには西田の活躍が欠かせない。