「チャンピオンシップを目指していく中で、強豪にも勝たないといけない」
横浜ビー・コルセアーズは名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎え撃ったホーム開幕節で初戦は84-91で落としたが、第2戦は前半を終え12点のリードを許す劣勢を跳ね返して88-78と見事な逆転勝利を挙げた。
この試合、横浜BCはパトリック・アウダがコンディション不良で欠場したが、日本人選手がステップアップして穴を埋めて強豪の名古屋Dを撃破した。22得点12アシストを挙げた河村勇輝、14得点の森川正明とともに試合に大きなインパクトを与えたのが13得点を挙げたキング開だ。持ち味である切れ味鋭いドライブを繰り出し、前半だけで11得点をマークしてオフェンスを牽引。そして、ディフェンスでも激しいプレッシャーをかけ続け、後半に限れば名古屋Dを26失点に抑えることに貢献した。
「今日の試合前に、名古屋Dさんの一番の強みだと思うトランジションを止めないといけないと話をしていましたが、前半はそこで簡単に点を取られてしまい自分たちのやりたかったことをできなかったです。ただ、ハーフタイムでみんな気持ちを切り替えて、後半はトランジションを止めるなど、パトリック(アウダ)選手が出られない中で一人ひとりがステップアップしたことが、結果に繋がったと思います」
このように振り返るキングだが、この試合の前までは6得点が最多の平均3.6得点と本来のオフェンス力を発揮できずにいた。それが一転し、この試合ではシーズンベストのパフォーマンスとなったが、それもディフェンスがあってのものと考える。「開幕から昨日まであまり自分で納得するパフォーマンスができなかった中で、今日の試合がすごく大事なのは分かっていました。チームとしてチャンピオンシップを目指していくには、強豪にも勝たないといけない。その中で自分の強みをもっと出していこうとプレーし、オフェンスではなくディフェンスから入ったことで良いリズムをつかめ、オフェンスにも良い流れを持っていけました。強みであるディフェンス、リバウンド、ルーズボールを最初からどんどん見せていって、そこからオフェンスに繋げていきたいと思いました」
満員の声援に感謝「ホームの力をこの2日間、すごく感じました」
シーズン開幕から横浜BCでプレーするのは今シーズンが初めてのキングだが、昨シーズンもインカレ終了後にプロ契約を結んで加入すると、35試合に出場して1試合平均15分の出場でローテーション入りを果たした。今シーズンも開幕から安定したプレータイムを獲得しており、すでにチームに欠かせない戦力の一人となっている。この試合のようなプレーを継続していくためには、「自信を持ってプレーして自分の力を発揮したら、チームもよい勢いで逆転できました。自信がすべてだと思います」とメンタル面も強く意識している。
ホーム開幕節となったこの2試合、会場は満員の観客で埋められ、大きな盛り上がりだった。キングは「ビーコルの選手として今回が初めて満員の中での試合でした。クラップの音とかも本当にすごかったですし、ホームの力をこの2日間ですごく感じました」とホームコートアドバンテージに感謝している。
明日、明後日と横浜BCは茨城ロボッツを相手に再びホームゲームを行う。熱狂的なファンのサポートを受け、ここで連勝することができれば勝率を5割に戻せる。そのためにはキングが持ち前の激しいディフェンスとゴール下への積極的なアタックで、チームにエナジーを注入していくことも大事な要素となってくる。