大黒柱ミラーのファウル先行により劣勢に立たされる北海道
11月に入って負けなしの5連勝と好調な千葉ジェッツ、今月1勝4敗と苦しむレバンガ北海道が、ゆうばり文化スポーツセンターで対戦した。
立ち上がりに目立ったのは北海道のダニエル・ミラー。パスがよく回る北海道のオフェンスの中心として、ダンク連発の8得点にアシストと力強くチームを引っ張る。ところが、そのミラーが第1クォーター半ばで2ファウルを犯しベンチに退くと、勢いは千葉へと移る。
青島心とジャマール・ソープとなった北海道のインサイドに対し、千葉は高さのアドバンテージを生かす。小野龍猛、ヒルトン・アームストロング、マイケル・パーカーがペイントエリアの攻防を制すると、チームファウル5つを超えてのフリースローでも得点を積み上げ、25-18とリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーター、北海道は再びミラーをコートに送り出したのを機に、通算9000得点まであと12得点と迫る46歳の折茂武彦が6連続得点を挙げて活気を取り戻す。だが、ミラーが個人ファウル3つ目、さらには代役のセンターである青島までファウルトラブルに陥ると、すべてのポジションで高さのミスマッチが生まれた。
千葉はディフェンスリバウンドを手堅く獲得し、素早いトランジションで攻めに転じる。北海道のダブルチームにも落ち着いて対応し、小野の連続3ポイントシュートを含む11-0のランで北海道を突き放した。
折茂の通算9000得点は次節に持ち越し
前半で57-36と大量リードを奪った千葉は、試合のペースをうまくコントロールし、オン・ザ・コート「1」同士の第3クォーターを21-22でまとめる。最終クォーターはファウルトラブルを抱える北海道のインサイド陣をアームストロングが制し、タイラー・ストーンのランニングプレーで点差を広げ、100-74で勝利した。
ストーンがゲームハイの29得点、アームストロングが19得点を記録。オフェンスの起点を作った小野が4本の3ポイントシュートを含む21得点を挙げた。千葉にとってはBリーグになって初の100点ゲームとなった。
敗れた北海道は前半の早い時間帯でファウルトラブルに陥ったことで、ディフェンスが後手に回ってしまった。マンツーマンとゾーンを併用し千葉のリズムを崩そうとしたが、インサイドとアウトサイドシュートをバランスよく決められてしまい完敗となった。
結局、大黒柱のミラーを1試合を通じて22分強しかプレーさせられなかったことが、北海道にとっては痛手となった。好調の千葉に対抗するため、攻守ともにアグレッシブに行ったのは間違っていないのだが、今回は裏目に出てしまった。
折茂は8得点を挙げて通算9000得点まであと4点に迫り、明日の試合での達成が濃厚となっている。もっとも、口を突くのは敗戦の弁だ。「ミスやファウルトラブルもありますが、まずは出ている5人がやるべきことをやれていないのが問題だと思います。何度か流れが来た場面がありましたが、精度が低く良い流れを継続できませんでした。自分を含めてその精度を高めていかなければ、このリーグで勝っていくのは難しいです」
折茂は言う。「記録のことはありますが、チームの勝利が最優先であり、与えられた仕事の中で達成できればうれしく思いますが、自分が活躍することでチームが勝利することが一番です」
明日は会場を北海きたえーるに移し、今日と同じく千葉と対戦する。北海道は折茂の記録達成を白星で飾れるか注目が集まる。