ロケッツ

再建2年目、グリーンを筆頭とした若手有望株が揃う

ジェームズ・ハーデンのトレードから大きく動いたロケッツですが、ジェイレン・グリーンなど4人を指名した昨オフに続いて、今オフのドラフトでもジャバリ・スミスJr.、タリ・イーソン、タイタイ・ワシントンの3人を1巡目で指名しました。あっという間に多くの有望株が並ぶチームへと変身するとともに、クリスチャン・ウッドをトレードして明確に若手中心へと切り替えました。

基本的に個人の成長を優先するシーズンとなりますが、ポテンシャルだけでプレーするにはもったいないほど、各ポジションにバランス良く選手が配置されており、チーム戦術の機能性も重視したいところです。エースはガードのグリーンではあるものの、むしろ特殊な素材が揃ったインサイド陣を戦術の中心に据えた方が面白い構成になりそうです。

アルペラン・シェングンはオフェンスを組み立ててくれる希少なポイントセンターで、スクリーンやハンドオフなど、身体を張ったプレーもあり、チームの連動性を高めてくれます。ウスマン・ガルバはユーロバスケでスペインを優勝に導いたリムプロテクト能力で強力にゴール下を塞いでくれる上、パス能力もあるのでボールムーブを重視するオフェンスに向いた選手です。いずれもグリーンに得点を取らせるのに適したビッグマンで、しっかりとハーフコートを組み立てるのに向いています。

スミスはアウトサイドからのシュート力が強みで、ゴール下にスペースをもたらし、かつ対人ディフェンスに強く、スピードも優れるため、ガードを相手にしたペリメーターでも守れます。イーソンはエネルギーに満ち溢れたオールラウンダーで、どんなポジションでも守れるディフェンス力を評価されています。いずれもスピードと運動量があり、トランジションの連続で本領を発揮します。

得点力に特徴を持った同じ様なタイプの選手が多いガードに比べ、多用なタイプが揃ったインサイドは組み合わせ次第でチーム戦術をガラっと変更することが可能です。試合中に戦い方を切り替えていくのは簡単ではないものの、これだけの個性を型にハメてしまうのはもったいなく、難しくても多彩な戦い方を浸透させていくことで、チームとしてのストロングポイントが生まれてきそうです。

有望株が多く揃ったと言っても、まだ再建に切り替えて2年目に入ったばかり。どのようなロールプレーヤーが必要なのかも見えていないだけに、個人としてもチームとしても様々な形を試していくことで、強みも弱みも明確にし、方向性を定めていくことが大切です。新シーズンは結果よりも可能性を追い求めて欲しいです。