ジャズ

コンリーよりも若い1988年生まれのハーディがヘッドコーチに

ドノバン・ミッチェル加入後は常に好成績を残し、西カンファレンスのエリートチームであり続けたジャズですが、ルディ・ゴベアと共にトレードしたことでチームは大変革を迎え、6年間続いていたプレーオフ出場が途切れることが濃厚です。新たに有望株は手に入れたものの、ドラフト後のトレードだったこともあって、軸となる選手を獲得できたわけではなく、どのようなプランで臨むのかも不明な開幕となっています。

コリン・セクストン、ラウリ・マルカネン、テイレン・ホートン・タッカー、マリック・ビーズリー、ジャレッド・バンダービルドらを獲得したことで有望株は多く、またマイク・コンリーやジョーダン・クラークソンはトレードされておらず、誰が中心なのか分からない代わりに、層の厚いロスターになりました。

またヘッドコーチにはダニー・エインジ運営部代表が「NBAで最も輝かしい若手リーダーの一人」と評するウィル・ハーディを迎えました。コンリーよりも若い1988年生まれのハーディには、ベテランから若手まで様々な立場の選手とコミュニケーションを取り、新たなチームカルチャーを築いていくことが求められます。

ユーロバスケで素晴らしいプレーを見せたマルカネンや、ベテランポイントガードとしてチームを引っ張るコンリー、タフショットをねじ込むクラークソンなど、様々な特徴を持つ選手達が噛み合えば面白い化学変化も起きそうですが、将来のドラフト指名権を集めているように、現状のロスターで未来を描いているわけではなく、個人が活躍するほどトレード候補として他チームのターゲットにもなります。シーズン中もトレードで選手が入れ替わり、そのたびにハーディはチームを作り直す作業に追われ、若手は活躍するチャンスが広がります。

ジャズにとってはゴードン・ヘイワードからミッチェルへと主役が変更されて以来の再建になりますが、当時はチーム力を落とすことなく引き継がれたのに対し、今回はチームを解体したためゼロベースとなり、時間もかかることになります。この決定が正しかったのかどうか評価されるのは先のことになりますが、新たな変化は前向きに受け止めなければいけません。新たなスターが生まれるのか、それとも再建に向けた準備期間になってしまうのか、良くも悪くも様々なできごとが起こりそうな新シーズンです。