ゴードン・ヘイワード

写真=Getty Images

「ジャズには、すべてにおいて感謝しているんだ」

NBAデビューから7シーズン目までをジャズで過ごしたゴードン・ヘイワードにとって、ソルトレイクシティは第2の故郷と呼ぶべき街だ。NBA選手になるチャンスを与えてもらい、年々レベルアップし続けた若者を地元のファンは愛し、エースに拍手喝采を送り続けた。

11月9日、ヘイワードはセルティックスの選手として、初めて古巣と対戦する。

昨年のオフにフリーエージェントになったヘイワードは、ジャズとのマックス契約を結ばず、バトラー大学時代の恩師、ブラッド・スティーブンズが率いるセルティックスへの移籍を選択した。この決断に大半のジャズファンは心を痛め、憤った。本来なら、2018年3月下旬に凱旋を果たす予定だったのだが、昨シーズンの開幕戦で左足首脱臼、脛骨骨折の重傷を負い、ヘイワードは残る81試合を欠場に追い込まれた。

長い治療とリハビリ、トレーニングを経て復帰したヘイワードは、1年越しとなるソルトレイクシティ凱旋について、11月1日のバックス戦後、こう語った。

「ユタでは素晴らしい時間を過ごした。ジャズには、すべてにおいて感謝しているんだ。あのアリーナでプレーできることを楽しみにしている。昨シーズンも楽しみにしていたんだけれど、実現しなかった。でも今回は良い試合になるだろうね。ジャズは強いチームだから」

ヘイワードは、ブーイングでの歓迎を覚悟しているとも話したものの、1年という時間を経たことで、ジャズファンの怒りが少しでも鎮まってくれていることを願っている。「あれから1年が経ったから、そこまで悪意のある感じにはならないんじゃないかな。でも、ブーイングを受けるのは間違いないと思う。そういうものだから」

キャリアを左右するほどの大けがから復帰したヘイワードの努力は称賛に値する。誰よりも近くで彼を7年間も見続けたジャズファンなら、それを感じ取れるに違いない。だが、『群雄割拠時代』に突入した西カンファレンスでは、1勝の差がプレーオフ争いに大きな影響を及ぼす。感傷にひたる間はなく、ジャズにとって落とせない試合ということに変わりはない。

9日の試合前にヘイワードの功績が称えられるかどうかは分からないが、ブーイングが良いスパイスになり、プレーオフさながらの緊張感ある好試合になることを願うばかりだ。