第1戦では秋田を突き放す3ポイントシュートを沈める
サンロッカーズ渋谷は、開幕節に富山グラウジーズに90点以上を奪い連勝し、10月8、9日にホームで秋田ノーザンハピネッツと対戦した。第1戦は前半のリードを最後まで守り切り81-70で勝利したが、第2戦では逆に秋田に先手を取られ、何度か1ポゼッション差に迫るも逆転するには至らず、88-95で敗れ痛み分けとなった。
タフな守備から流れを引き寄せるスタイルの両者にとって、ディフェンスはもちろん、オフェンスでの打開は避けられない試合となった。そして、SR渋谷の攻撃の鍵となっていたのは、5年間アルバルク東京に在籍し今シーズンに加入した小島元基だ。
第1戦に16分の出場時間で11得点2アシストを記録し、うち放った3ポイントシュートをすべて決めるなどオフェンスの軸となった。秋田に1桁差まで迫られた最終クォーター残り30秒には、味方のスクリーンを利用して相手ディフェンスをかわし、勝負を決定づける3ポイントシュートを沈めた。このラストショットに会場のSR渋谷ブースターは大いに沸いた。小島も「(最後の3ポイントシュートは)点差を考えて、スクリーンを呼べば時間をつぶして勝つことができると思っていたので、最後にシュートを打つところまでイメージ通りでした」と語る、会心のプレーだった。
2番起用にも応えた小島「今シーズンは攻めの姿勢を見せていく」
SR渋谷は、昨シーズンの3ポイントシュート成功率が32.9%とリーグワーストとなり、アウトサイドシュートの改善が求められていた。新加入の小島と津屋一球は昨シーズンの3ポイントシュート成功率がそれぞれ38.3%、44.0%と高確率で決めており、チームの弱点を補う活躍が期待される。
「チームが3ポイントシュートを求めていることは聞いていました。自分は3ポイントシュートが得意だし、スポットやノーマークは入ります。これからは、ドリブルから3ポイントシュートを狙っていけるようにしていきたいです」
第1戦の終盤に1桁点差に詰められた場面では、ベンドラメ礼生と同時に起用された。2人ともオフェンスを組み立てることができ、自ら得点も取れるため、秋田ディフェンスに対して的を絞らせなかった。 小島は言う。 「大学のころから点を取っていましたし、実際得点することは好きです。コントロールをしながらも、今シーズンは攻めの姿勢を見せ、クリエイトしていきたいと思います」
伊佐勉ヘッドコーチは小島の起用について、このような期待をこめている。「ベンドラメに点を取ることに集中してもらえるように、ボールを供給するプレーヤーとして今シーズンチームに来てもらいました。得点することと、ガードとしてゲームをコントロールすることの2つに長けている選手なので、これから任せていきたいと思います。もっと積極的に攻めて、彼らしいプレーを発揮してもらいたいですね」
ベンドラメは東海大時代の同級生であり、Bリーグ初年度の新人王を争った仲だ。小島は「自分のキャリアを考えたら、(ベンドラメと)一緒に優勝するならここしかないと思って移籍しました」と、ベンドラメの存在が移籍の理由の一つになっていたことを明かした。今後、さらにケミストリーは高まり、小島とベンドラメのツーガードはSR渋谷の強力なオプションとなるはずだ。