ルカ・ドンチッチ

写真=Getty Images

「偉大な選手になるために努力しろ」

昨シーズンまでスペインの強豪レアル・マドリーの主力としてプレーし、欧州のタイトルをほぼ総なめにしてきたルカ・ドンチッチ。2018年のNBAドラフト全体3位でホークスから指名されたドンチッチは、ドラフト当日のトレードで交渉権を手にしたマーベリックスと契約し、海を渡った。

NBAに適応するには一定の時間が必要という意見が多かったものの、開幕から9試合を終えて平均19.4得点(新人1位)、6.6リバウンド(同4位)、4.6アシスト(同2位)という堂々たるスタッツを記録。気の早い話ではあるが、今のペースを維持できれば、バスケットボール殿堂入りを果たしたマイケル・ジョーダン、カリーム・アブドゥル・ジャバー、ラリー・バード、エルジン・ベイラー、グラント・ヒル、オスカー・ロバートソンと同様に、ルーキーイヤーに平均19得点6リバウンド4アシスト超えという成績を残せるかもしれない。

ドンチッチのプレーを目の当たりにしているチームメートのディアンドレ・ジョーダンは、「彼はルーキーではない。彼は次の段階に進んでいる選手。普段は1日中テレビゲームをするような青年だけれど、コートに立てばキラーになる」と『LA Times』に話した。

そのドンチッチは、10月31日に、憧れのレブロン・ジェームズと初めて対戦し、NBAの『キング』の前でも実力を証明した。序盤こそ固さが見られたが、徐々にリズムに乗り、14得点5リバウンド7アシストを記録。試合には113-114で敗れたが、第4クォーター残り7.2秒に同点レイアップを決めるなど、レブロンの前で爪痕を残した。

レブロンとの初対戦を楽しみにしていたドンチッチは、試合前『LA Times』にこう語っていた。

「信じられない瞬間になるだろうね。レブロン・ジェームズは、僕のアイドルなんだ。彼に憧れて、彼のプレー映像を数えきれないくらい見てきた。(レイカーズ戦は)僕にとって特別な試合になる。彼はなんでも出来る選手。点も決められて、パスも通せて、リバウンドも取れる。バスケットボールIQも素晴らしい。彼がベストだ」

欧州の逸材の力を実感したレブロンは、ドンチッチにあるメッセージを伝えた。レイカーズ戦後、コート上でレブロンにサイン入りのジャージーをリクエストしていたドンチッチに手渡されたパープルのジャージーには、サインとともに、こう書かれてあった。

「偉大な選手になるために努力しろ」

遅かれ早かれ、ドンチッチはダーク・ノビツキーに代わり球団の顔になるだろう。NBAの顔になれるかどうかは彼次第だが、それだけの才能に恵まれた逸材であることは、もうNBA中に知れ渡ったはずだ。