カイリー不在でベン・シモンズがポイントガードを務めるも機能せず
ネッツにとって今シーズン2つ目のプレシーズンゲームは、控え目に言ってもひどい出来だった。初戦に出場したカイリー・アービングとジョー・ハリスが休養を取り、先の試合ではフォワードとしてプレーしたベン・シモンズがポイントガードを担当したが、プレーメークが上手く行かずにオフェンスは停滞した。
プレシーズンゲーム初戦を終えた時点でカイリーは「ディフェンスに対して1対1で仕掛けるしかない試合もあったけど、今の僕らは違う。ベンがガードとしてチームを引っ張り、どの選手もコートをよく動いてパスが飛び交う」と手応えを語ったが、この日のネッツはまるで違う姿を見せた。
カイル・ラウリーが司令塔としてゲームを組み立てるヒートに対し、ネッツはチームプレーが噛み合わず、行き着く先はケビン・デュラントにボールを託す昨シーズンの悪癖の再現だった。デュラントはフィールドゴール12本中8本を決めて22得点を挙げたが、エースが好調というプラス要素を、チームプレーが噛み合わないマイナス要素が覆い尽くしてしまった。
シモンズはボールプッシュこそ力強いが、そこから先はアイデアを欠き、2番手のポイントガードであるパティ・ミルズも動きが重く、状況を改善できない。第3クォーター残り5分、20点ビハインドの状況で26分プレーしたデュラントがコートを去った後は、ネッツに見るべきものはほとんどなかった。
ヘッドコーチのスティーブ・ナッシュも終始苦い表情。『デュラント依存』はこのオフにデュラントがトレードを要求する一因となっただけに、一刻も早く改善しなければならない課題だ。
渡邊雄太は21分のプレータイムを得るも、そのほとんどがデュラント不在、つまりネッツが波に乗れていなかった時間帯で、彼自身もリズムをつかめず苦しんだ。第1クォーターは4分プレー。自身が起点となった素早いパスワークでディフェンスを翻弄し、最後はゴール下に飛び込みパスを呼び込んでファウルを誘うも、フリースローを2本とも失敗して得点を奪えなかった。
後半に再び出番がやって来た時には、もうデュラントが下がるタイミングだった。ヨビッチのカットインを察知してゴール下のヘルプに入りブロックショットを決め、自身のドライブに連動して動いたデイロン・シャープのシュートをアシスト。フィールドゴール4本を放って成功なしとシュートタッチに苦しんだが、最後の最後で先にアシストパスを出したシャープからお返しのキックアウトのパスが来る。完璧なキャッチ&シュートのチャンスを逃さず3ポイントシュートを決め、何とか無得点で終わらずに済んだ。
渡邊は21分のプレーで3得点4リバウンド1アシスト2ブロック。チームが終始低調な中、ここで試合の流れを変えられれば大きなアピールとなったが、そうはいかなかった。