デマー・デローザン

「ただコートでプレーを楽しみ、情熱を持ち続けていたい」

ブルズのデマー・デローザンはNBA14年目のシーズンをスタートさせた。ブルズは若いチームで、33歳のデローザンは新加入のゴラン・ドラギッチ(36歳)に続いて2番目に歳を重ねている。もともと立ち居振る舞いが落ち着いていることもあり、『老けた』という印象はあまりない。もう何年も前から、彼にはベテランのような存在感があった。

NBAでトップレベルを維持したまま、長くキャリアを続けることが彼の誇りだ。これまでの13年間でレギュラーシーズン1029試合のうち93%にあたる957試合に出場している。シーズンで最も欠場が多かったのはラプターズ時代、2014-15シーズンの11試合だけ。 そのデローザンが『Andscape』の取材に応じ、『鉄人』であり続けることの秘訣を語った。

「自分自身を知り、最善のケアをする。ウエイトルームに行くことが身体を強くするすべてだと思ったら大間違いだ。自分の身体は毎日一つずつパーツを重ねて作っていくもの。何かを感じたら、その時点で手を打つ。必要であれば治療する」

ブルズにはケガ人が多い。ロンゾ・ボールは膝のケガが長引いてシーズン序盤はプレーできなさそうだ。ザック・ラビーンも膝の手術を終えたばかり。デローザンはオフの間もラビーンと連絡を取り合い、アドバイスを送っていたそうだ。

「僕に言わせれば、みんなもっと意識しなければいけない。今シーズンはもっと意識してくれると思う」とデローザンは言うが、これはチームメートの意識の低さへの憤りではなく、若ければ仕方ないことだと考えている。

「NBAに入った時は、14年も続くなんて想像もつかなかった。ここまで、あっという間だった気がする。僕もルーキーの頃は何も知らなかった。何を食べたらいいかの知識もなく、周囲の人たちとの個人的な関係もまだなかった。その僕がキャリアを通じて常にプレーし続けられているのは、自分のコンディションを維持する方法を年々学んできたからだ」

「マイケル・ジョーダンは40歳で82試合に出場したよね。僕も82試合でプレーしたい。正直に言えば、昔の方が難しかった。年齢を重ねるごとに知識が増え、簡単になっている」

デローザンには自分がベテランだという意識があまりない。レブロン・ジェームズとクリス・ポールが彼のお手本だからだ。「レブロンは20年目だけど、あと5年は余裕でやれそうだ。CP(ポール)も2年前に若いチームをプレーオフに導いて、年を取れば取るほど良くなっているよね。この2人は僕にとってモチベーションとなる存在なんだ。自分自身をケアし、バスケットボールに愛情と情熱を持っている限り、何だってできる」

デローザンは毎年オフに、クリス・ポールと一緒にロサンゼルスでワークアウトを行う。彼らから刺激を受けている限り、デローザンが「自分も歳を取った」と感じることはない。

「僕は『まだ33歳だ』と思っているよ。僕は日付の目標を口にしたことがない。例えば『20年プレーしたい』とは言わない。ただコートでプレーを楽しみ、情熱を持ち続けていたいんだ。もし情熱が薄れてしまったり、自分の力が発揮できないと感じた時が来れば、その時は引退だろうね」

クリス・ポールと同様に、彼もまた長いキャリアを歩みながら、これまで手にしたことのないNBA優勝を目指して開幕を迎える。ブルズの前評判は決して高くはないが、デローザンは「試合が始まってしまえば、そんなものは関係ないよ」と気にしていない。「少なからず運は必要になるけど、何が起きるかは分からない。それが僕が愛するバスケなんだ。僕たちはただコートで競い合うだけさ」

「もちろん、目標は優勝することだ。僕にとっては自分のすべてを注ぎ込む挑戦だけど、結果はなるようにしかならない。これまで13年間続けてきた自分の旅に感謝を持って、次に何が起きるかを楽しみにしているよ」