攻守において存在感、オフェンスではチームハイの平均20得点を記録

千葉ジェッツは大阪エヴェッサとのホーム開幕節を連勝で飾り、上々のスタートを切った。その原動力となったのが今シーズンの新戦力であるヴィック・ローだ。過去にはNBAのサマーリーグに複数回出場し、昨シーズンはオーストラリアリーグ(NBL)でオールNBLファーストチームに選出された経歴を持つフォワードが、Bリーグの舞台で早速本領を発揮した。

昨シーズンにベスト6thマン賞を受賞したクリストファー・スミスがケガの影響でプレータイムが制限される中、ローは長身を生かしたジャンプシュートに加え、ドライブからの得点、ディフェンスがドライブを警戒し下がったと見ると3ポイントシュートを決めるなどオールラウンドなオフェンス力を披露。Game1に21得点、Game2では19得点と両日ともにチームトップのスコアを残すなど圧巻の活躍ぶりでスミスの穴を埋めた。特に接戦となったGame2では、88-88の同点で迎えた残り5秒に獲得したフリースローを沈め、千葉Jを文字通り勝利へ導いた。

「この2試合で自分のオフェンスに手応えを感じることができた。フィジカルに当たってきた大阪に対して得点を重ねることができたことに自信を持っている」と自身のパフォーマンスを振り返った。

またディフェンス面での貢献度も高く、大阪のインサイドの要であるカイル・ハントやアイラ・ブラウンを一人で止め、さらにはディージェイ・ニュービルなどのバックコート陣に対しても軽快なフットワークでついていき、自身の長いウイングスパンを生かしたブロックショットを記録した。「第1クォーターの序盤にディフェンスでミスをしてしまったが、その後は特にスコアした後のディフェンスをより固く守ることを意識した。それがチームの基盤であり、プライドでもある」

両日完売となった開幕節に訪れた千葉Jブースターにこれ以上ない期待感を持たせたローは、「今節の2試合で特にディフェンス面で課題が見つかった。手を使わず足を動かしてカバーしていくなど、どんな選手に対しても守れるようになりたい」と守備面の向上に意欲を見せた。

最後に日本でのプレーについて聞くと、「千葉ジェッツに来れてうれしい」と毎日勉強しているという日本語を使って答えると、「チームの雰囲気が良く、まだ(来日して)2カ月だけど、日本でのプレーを楽しんでいる」と笑顔で答えた。

今節の奮闘からさらにマークが厳しくなることが予想されるロー。次節のアルバルク東京戦でも千葉Jを救う立役者になれるか注目したい。