ケビン・デュラント

「このチームと一緒に進んでいくことを約束するよ」

ケビン・デュラントはこのオフにネッツに対してトレードを要求し、ヘッドコーチのスティーブ・ナッシュとショーン・マークスGMを批判した。だが、後になってトレード要求を撤回し、トレーニングキャンプにやって来た。

シーズン最初の会見でマークスGMは「彼が出て行きたいがっているのであれば、ここにいないよ」と笑い、夏の騒動について「このチームの問題を振り返り、何が重要なのか真剣に考えるきっかけになったんだから、あの一件があって良かった」と振り返る。指揮官ナッシュも「家族にはこういうことが起こるものさ」と、すでに水に流している。

デュラント自身は自らが引き起こした騒動を引きずることなく新たなシーズンに集中している。「彼らには感謝しているんだ。『君は素晴らしい選手だから手放しはしない』という感じなんだと理解したよ」

トレードを要求した理由を「昨シーズンが進む中で、ケガやいろんなことがあってラインナップに選手が出たり入ったりするのを見るうちに、もう若くないんだから安定した場所でチャンピオンのカルチャーを築きたいのに、それができるのかと疑問を持ったんだ」と説明している。

問題は結果ではなく内容だったと彼は言う。「みんなにもっと責任を持ってほしかった。ケガで誰かが不在になるみたいな話ばかりで見過ごされてしまったけど、その時にいるメンバーでもっと集中して戦うべきだった」

「そういう意味では成長の糧となるシーズンだった。ここからは昨シーズンの自分たちを思い出すことで上手くやれると思う。自分たちに何ができるのかを示すんだ」

もっとも、スーパースターは気まぐれなもの。「また心変わりをするのでは?」と心配するファンも多いだろう。これに対してデュラントは言い訳はしなかった。「僕はこのチームで多くのことを経験してきたし、今もここで自分の仕事をする。このチームと一緒に進んでいくことを約束するよ。それについて疑念を持たれたとしても、それは僕にどうこうできる問題じゃない」

ここから先は、言葉を重ねても意味がない。デュラントが信頼と尊敬、そして愛情を勝ち取るにはコート上で『自分たちに何ができるのかを示す』しかない。