「中で攻めることができたので次に繋がります」
女子ワールドカップ4日目、バスケットボール女子日本代表はカナダ代表の堅守の前に得点が伸び悩み、56-70で敗れた。この試合で先発を務めた渡嘉敷来夢は試合直後に「勝ちたかったですね、率直に」と肩を落とした。
直近の2試合で出だしの悪さを露呈した日本は、この試合で先発メンバーのテコ入れを行い、渡嘉敷は先制点となる3ポイントシュートを沈め、スロースタートを改善する役割を見事にこなした。
すべての選手が3ポイントシュートを打てることを強みにしている日本だが、攻守においてインサイトの要である渡嘉敷がアウトサイドに出ることはあまりなく、この1本が国際大会で初めての3ポイントシュート成功となった。「最近は5対5の中で3ポイントシュートを打つ機会がなかったですが、こうやってゲームで1本打って決めることができたのは自信になります」と渡嘉敷は言う。
最終的に渡嘉敷は5得点に留まったものの、過去2試合よりもオフェンスで絡むシーンが増えた。「ゴール下のシュートで力んでしまう場面が多かった」とフィニッシュの精度については反省したが、「前の2試合はあまり中で攻めるプレーがなかったので、そういう意味では中で攻めることができたので次に繋がります」と、シュートアテンプトが増えたことを収穫に挙げる。
また、「リバウンドのところでもう少し身体を張りたかった」と語ったが、チップアウトでマイボールにする場面が多くあり、ディフェンスリバウンドの面では自分よりも体格で勝る相手にスクリーンアウトをしっかり行い、チームリバウンドに徹していた。
このように、シュート精度に課題はあったが、渡嘉敷は自分のできることを遂行したと言える。ただ、今の日本代表は彼女に限らず個々の奮闘がチームとしてうまく噛み合っていないもどかしい状況にあり、「(試合直後で映像を見返していないので)パッと思い浮かぶことはないです」と敗因について語る。「相手のシューターはタフショットでも決めてきてたので、そこをもうちょっと止めることができていたら。ディフェンスをもうちょっと頑張りたかったです。自分たちのやるべきことができなかったところもありますし、悪くはないけど、良くはないのかなと思う部分はありますね。でも何が悪いかというのは自分では分からない」
今回の敗戦で黒星が先行したため、自力で決勝トーナメントの切符をつかむにはまずフランス戦、オーストラリア戦での連勝が求められる。課題を修正する時間は十分にないができるだけ早く明確な理由を見つけ出し、それをチームで共有してコート上で体現するしかない。