写真=Getty Images

ひざを痛めて涙を流すカリーに「君のために勝つ」。

ウォリアーズのステファン・カリーは、右ひざの捻挫で2週間の離脱を余儀なくされた。連覇がかかった大事なこの時期に、エースの欠場がチームに与える影響は少なくない。NBA新記録の年間73勝9敗という偉業を成し遂げ、さあ連覇に向けて、という時だっただけに、カリーの心中は察するに余りある。

右ひざを捻挫した4月24日のロケッツ戦のハーフタイムでの出来事。後半の出場を断念するようチームから伝えられたカリーは、チームに迷惑を掛けるからか、大好きなバスケットボールをプレーできなくなったからか、人目を気にすることなく大粒の涙を流した。

この時、ドレイモンド・グリーンかカリーに掛けた言葉を、『BAY AREA NEWS GROUP』のスポーツコラムニスト、マーカス・トンプソンⅡが伝えている。

「あいつら(ロケッツ)にそんな姿を見せるな。俺たちが君を支えて、守る。君のために勝ってやるから任せておけ。だから、もう(ロッカーに)行くんだ」

カリーがコートを去った後、ウォリアーズは第3クォーターを41-20で圧倒し、121-94で快勝。シリーズ勝ち上がりに王手を掛けた。

試合後に取材に応じたグリーンは、カリーをなだめた時の状況を、こう説明した。「イライラして泣いている彼に、『顔を上げろ。何も心配することはないから行くんだ』と言ったよ」

カリーの負傷離脱が連覇を阻む最大の危機となることは、誰の目にも明らか。しかし、このエピソードからは、『カリーのために』、『カリーを支えよう』、というウォリアーズの絆の強さが分かる。ウォリアーズの武器はカリーの得点力だけではない。NBAトップクラスの選手層と、この絆を武器に、ウォリアーズはこの難局に立ち向かう。