若手の成長をうながすベテラン選手たち

フランチャイズプレーヤーの一人である宇都直輝と、平均14.7得点、6.1アシストを挙げるジュリアン・マブンガの移籍はオフシーズンにリーグを最も驚かせた話題の一つだろう。NBAのセブンティシクサーズのようにタンキング(あえて敗戦し、ドラフト順位を上げる行為)をするという意味ではないが、今シーズンの富山は若手の成長を待つシーズンになりそうだ。松井啓十郎、水戸健史、小野龍猛といったベテラン選手や全盛期を迎える晴山ケビンが継続し、地元出身の飴谷由毅をはじめ野﨑由之、浦野泰斗、上田隼輔といったキャリア1、2年目の若手をベテランが支えるロスターとなった。明らかに薄くなってしまったポイントガードに外国籍選手を入れることで補強し、オン・ザ・コートルールで不利を作らないために帰化枠でファイ・サンバを獲得するなど、ポイントを押さえた補強は行われている。

当面の課題は、B1ワースト4のディフェンシブレーティング(100回攻撃された際の平均失点)の改善だろう。昨シーズンはゾーンディフェンスを多用していたこともあり、パスを回されて良いショットを打たれていたり(相手のアシストから生まれた失点の割合はB1ワースト2)、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスを奪われていたが、今シーズンもこのディフェンスを継続するかが注目だ。個人的な印象であるが、京都ハンナリーズ時代からガード陣の育成に強みを持つ浜口炎ヘッドコーチだけに、若手の成長が楽しみなシーズンである。

コーディ・デンプスと帰化選手であるサンバ、ジョシュア・スミスのラインナップに加えて、期待を込めて飴谷の先発起用を想定。新加入の外国籍ポイントガードを先発起用するのはリスクがあるが、カイル・コリンズワースという成功例があるため挑戦する可能性は高い。注目はデンプスを下げたタイミングで出場するポイントガードだ。もしもルーキーの浦野が担うとなれば、絶好の成長機会となるはずだ。

所属選手一覧

注目選手

飴谷由毅
地元出身の若手選手。現代バスケットのスモールフォワードの動きに忠実で、トップで行われるピック&ロールに対して、マークマンが遅めのヘルプに入ればコーナー、ないしは少しウイングへ動き3ポイントシュートを決め(昨シーズンの決定率は33%)、早めのヘルプに入ればバックドアカットでレイアップを決められる。バックドアカットからイージーなスコアができているため、昨シーズンのペイントエリア内決定率は6割を超えている。

コーディ・デンプス
昨シーズンはイスラエルリーグに所属し、平均15.3得点、2.4アシストを記録。ピック&ロールやハンドオフシチュエーションでは、相手をスクリーンにかけた後に若干大回りしながらトップスピードへ加速。マークマンとの間にできたギャップを最大化しながらペイントエリアへ飛び込むことで、ロールマンを守っていたディフェンスを引き出しスコアすることができる。分かりやすいスコアリングガードであることも先発起用しやすい一因である。

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