上位成績ながら、主力を入れ替える編成は吉と出るか?
昨シーズンの熊本ヴォルターズはB1からLJ・ピーク、ジョーダン・ハミルトンと強力なスコアラーを補強し、かつてエースガードとして所属していた古野拓巳も呼び戻して勝負に出た。しかし、プレーオフでファイティングイーグルス名古屋にピークとハミルトンが封じられたことで敗退した。
そして、その補強した3選手はわずか1年で退団となり、組織体制に変化があった影響か、プレーオフに進出したチームの中では改革が見られるオフとなった。ポイントガード陣は全員退団となり、さいたまブロンコスから長島蓮、愛媛オレンジバイキングスから山本柊輔、仙台89ERSから神里和、三遠ネオフェニックスから田渡凌とB1経験者を中心に揃えた。そして、B2移籍市場の目玉だったMVPテレンス・ウッドベリーを香川ファイブアローズから獲得。そして、同じく香川の谷口光貴も獲得し、昨シーズンのチーム日本人得点上位だった木田貴明、佐々木隆成の穴をしっかり埋めてきた。さらにドナルド・ベックが第一線を退き、遠山向人が新ヘッドコーチに就任。より一層の変革でB1昇格を目指す。
昨シーズンは機動力を生かして、オフェンス重視のバスケットを展開していたが、今シーズンはよりリバウンドやディフェンスを意識したロスターとなった。ウッドベリーへのディフェンスが厳しくなるのは火を見るより明らか。日本人選手がいかに効率良く得点を重ねられるかが鍵となる。
所属選手一覧
注目選手
磯野寛晃
昨シーズン、大きく成長をみせて先発に定着。特にプレーオフ4試合で平均11.5得点、7.0リバウンドと存在感を放ち、今シーズンは日本人エースとしての活躍が嘱望される。リーグ日本人トップとなる1.5スティールのディフェンス力にも注目。すっかりシグネイチャームーブとなった『カツオダンク』の大漁に期待したい。
田渡凌
ここ2シーズン、個人としてもチームとしても報われていない田渡だが、熊本で心機一転再起を図る。新加入選手が多い中、田渡のようにチームをまとめられるポイントガードは頼もしい存在だ。的確なゲームコントロールと気持ちを全面に出したプレーで、チームを引っ張っていくことに期待したい。
テレンス・ウッドベリー
昨シーズン、圧巻のスコアリング能力でB2MVPを獲得したウッドベリー。なんといってもリーグ随一の得点効率で、3ポイントシュート成功率40.5%、フリースロー成功率85.5%はともにリーグ2位。アシスト数もリーグ3位で、今シーズンのオフェンスの中核を担うことは間違いない。
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