ルカ・ドンチッチ

「それが理由にはならない。今日の僕のプレーはひどかった」

セルビアのニコラ・ヨキッチが、ギリシャのヤニス・アデトクンボがユーロバスケットを去り、次はルカ・ドンチッチの番だった。連覇を目指すスロベニア代表は準々決勝でポーランド代表と対戦。最大23点差のビハインドから一度は逆転に持っていきながらも、最後に力尽きて87-90で敗れた。

第2クォーターにポーランドが22-2のランを見せれば、スロベニアは第3クォーターに21-3のランを返す。ポーランドの攻めを牽引したのはマテウス・ポニツカで、26得点16リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録した。一方のスロベニアはドンチッチが試合序盤から足を引きずりながらプレーする状況で、ゴラン・ドラギッチと同じチーム最多の15本のシュートを放ったが、成功は5本の14得点のみ。それでも35分プレーし、11リバウンド7アシストと奮闘したものの、審判へのジャッジも含めてフラストレーションを抱えながらのプレーを強いられた。

80-76でポーランドがリードして迎えた第4クォーター残り3分、ポニツカがドライブからシュートフェイクを入れると、足が限界のドンチッチは止まることができず、個人5つ目のファウルを取られて退場となった。

ポニツカがこのフリースロー2本を決めた後、AJ・スラウターが味方の作り出したコースを使ったドライブから最後はダブルクラッチを決めてリードを8点に広げる。ドンチッチ抜きのスロベニアはドラギッチを軸に反撃を試みるが、この試合では3ポイントシュートが38本中11本、成功率29%と絶不調で追い上げの力を欠いた。

かくしてポーランドが1971年大会以来となるベスト4進出を決め、準決勝ではイタリアを破ったフランスと対戦する。チームを率いるイゴル・ミリチッチは「ハーフタイムの時点でスロベニアの反撃がないと思っている者はいなかった。スロベニアが本来の力を発揮して挽回したその先に、選手たちがリズムを取り戻して競り勝てたのはすごいことだ」と喜びを隠さない。

ドンチッチはファウルアウトになった直後、ベンチに戻ると手渡されたペットボトルを床に叩きつけて悔しさを露わにした。それでも試合後には落ち着きを取り戻し、「ポーランドの戦いぶりを褒めなきゃいけない。多くの人たちが僕らの勝ちを予想していたけど、ポーランドは素晴らしいチームだったよ」と相手を称えた。

ドンチッチは足の状態を「100%ではないね。第3クォーターには(痛み止めの)注射を打った。大会を通じていろいろあったんだ」と説明しながらも、「でも、それが理由にはならない。今日の僕のプレーはひどかった。チームを失望させ、国を失望させた。それは僕のせいなんだ」と語った。