ゴラン・ドラギッチ

ルカ・ドンチッチについて「史上最高の選手になると思う」

前回大会王者のスロベニア代表は、現在開催中の『ユーロバスケット2022』でも、順調に決勝トーナメントへ駒を進めた。

ドイツ、フランス、リトアニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ハンガリーと強豪国がひしめくグループBを首位で通過したスロベニアは、決勝トーナメント初戦でベルギー代表を下し、現地14日にはポーランド代表との準々決勝に挑む。

前回大会でMVPを受賞したゴラン・ドラギッチは現在36歳。昨夏の東京オリンピック終了後に一度は代表引退を決断したが、チームメートの説得もあり、今回はそれを撤回して代表チームに戻ってきた。今大会では、ここまで6試合を経て、平均プレータイムはチームで3番目に長い26.5分となり、得点でもチームハイのルカ・ドンチッチに次ぐ14.5得点でチームを牽引している。

ベルギーを88-72で下した後、ドラギッチは『BASKET NEWS』の取材に対し、「勝っている時は、再び代表でプレーするという最高の決断を下したように感じるよ。でも、部屋に戻ると全身が痛くて、『どうしてまたこんな目に遭わなければならないんだ』と思うこともある」と笑顔で語り、こう続けた。「でも、それだけの価値がある。僕は今という時を楽しんでいる。最高のチームの下に、最高のチームメートがいる。ケミストリーも最高レベルだし、チーム全員が成功を楽しんでいるよ」

また、ドラギッチは「2017年の前回大会のチームと、このチームは全くの別チームだと思う」と言う。「あの時はアンソニー・ランドルフとガシュペル・ヴィドマーもいた。今よりもバスケットに深みがあった。その点でも違うけど、今は自分たちの弱点も長所も分かっている。ハードに一生懸命にプレーすれば、誰が相手でも勝つことができる」

そして、前回大会との最大の違いは、ルカ・ドンチッチだ。当時はまだ18歳で平均14.3得点、3.6アシストと決してチームの中心ではなかったが、23歳となって挑んだ今大会では平均28.0得点、7.2リバウンド、6.5アシストの大活躍でチームを勝利に導いている。

そんなドンチッチについて、「彼は世界最高の選手だと思う」とドラギッチは言う。「彼はまだ23歳なのに、ベテランのようにプレーしているよ。自分のリズムでプレーできるし、シュートもリバウンドもパスもできる。ルカについて、他になんて言えばいいのか分からない」

「僕は彼が史上最高のプレーヤーになると思っている。まだとても若いし、ケガもなく健康にプレーをし続けられれば、キャリアを終える頃には史上最高の選手になれるはずさ。僕がもうちょっと若かったら、彼ともっと一緒にプレーできたのにと思うこともある。僕は今36歳で、ルカは全盛期。でも、僕はすべての瞬間を楽しんでいるよ」