「相手の強烈なパンチに備えるんだと選手たちには伝えていた」
アメリカップの決勝は、ホスト国のブラジル代表と、準決勝でアメリカ代表を撃破したアルゼンチン代表の対戦となった。
アルゼンチンはほとんどの時間帯で試合の主導権を奪い、第2クォーター途中には最大15点のリードを奪ったものの、終盤に息切れ。第4クォーター開始時点の7点のリードを吐き出し、一時は逆転を許した。
だがそこで崩れずに踏み留まり、同点で迎えたラスト5分間は常に1ポゼッション差、なおかつ互いにオフェンスよりもディフェンス優位でなかなか得点の生まれない、息詰まる展開となった。
そして最終盤にアルゼンチンがブラジルを上回る。残り1分19秒、ファクンド・カンパッソが強引なドライブからのジャンプシュートと見せかけて相手ディフェンスを引き付け、自分の背中を通すパスでマルコス・デイラのイージーダンクをアシスト。この試合のカンパッソはアシスト5でターンオーバーが5、チームも12アシストに対して13ターンオーバーとパスの呼吸が合わずに苦労したが、点の入らない土壇場でカンパッソらしいアシストが生まれた。
これで73-73。アルゼンチンはブラジルに良いシュートチャンスを与えず守り切ると、3ポイントシュートは外れるもオフェンスリバウンドを拾って貴重なポゼッションを得て、最後はガブリエル・デックがゲームウィナーとなるゴール下のシュートをねじ込んだ。
デックは準決勝のアメリカ戦で30得点、この決勝でも20得点を挙げて勝利の立役者となった。大会を通して21.2得点、5.8リバウンドを記録しており、大会MVPに選出された。
アルゼンチンを率いるパブロ・プリジオーニはこう語っている。「厳しい戦いになるのは予想していた。だから相手の強烈なパンチに備えるんだと選手たちには伝えていた。だから最後の最後でより忍耐強く、そして冷静にプレーできたんだと思う」
アルゼンチンは2大会連続で決勝で敗れていたが、今回は際どい戦いを制して優勝を勝ち取った。2001年、2011年に続き、3度目のアメリカップ王者となった。