ティム・ハーダウェイ

盟友マリン、リッチモンドへの感謝を強調「彼らが今日の俺を作った」

バスケットボール殿堂入りを果たしたティム・ハーダウェイが、式典でのスピーチで1990年代初めにNBAを席巻したクリス・マリン、ミッチ・リッチモンドとのトリオ『Run TMC』について語った。

現役時代のハーダウェイは主にウォリアーズ、ヒートに在籍し、スピードと巧みな緩急による切れ味抜群のクロスオーバーで相手を抜き去り、得点とアシストを量産していた。1996-97シーズンにオールNBAファーストチームに選出され、オールスターにも5度選出されたハーダウェイがまず脚光を浴びたのは、1989年にドラフト全体14位で入団したウォリアーズ時代だった。

プロ2年目には早くも台頭し、3番ポジションのマリン、2番のリッチモンドと共に3人揃って1試合平均20得点以上を挙げる強力スコアリングトリオを形成した。3人を軸としたハイテンポな超攻撃的バスケットボールはファンを魅了。リッチモンドがこのシーズン終了後、キングスにトレードされたことでこのトリオはすぐに解体されたが、鮮烈な印象を残したことは間違いない。

当時、人気絶頂だったラップグループ『Run-DMC』から名付けられたこのトリオについてハーダウェイは、「クリス・マリン、ミッチ・リッチモンド。『Run TMC』は伝説だよ」と語り、次のように盟友たちに感謝した。「NBAに入った時、2人は俺にプロとしてどう振る舞うべきか、どのように自分をケアしていくかすべてを教えてくれた。彼らは『ティム、どれくらいすごい選手になりたい?』と聞いてきた。彼らが今日の俺を作ったんだ」

さらにハーダウェイは「『Run TMC』は時代の最先端を行っていた」と続け、2人への深い愛情を強調する。「クリスとミッチは、俺にとってずっと家族だ。俺たちはウォリアーズにいた時、なんでも一緒にやっていた。彼らと過ごした年月であり、俺たちの友情を大切にしている」

現代のNBAではガード陣がオフェンスの中心を担うのは当たり前のことだが、スモールボールの概念も定着していない1990年代のNBAではかなり異質だった。時代の最先端を行っていたとのハーダウェイの分析はその通りであり、だからこそ未だ多くのファンの脳裏に残る強烈なインパクトを与えたと言えるだろう。