Bリーグができて6シーズンが経過したが、レバンガ北海道はチャンピオンシップ進出も、勝率が5割を超えたこともない。そのチームに橋本竜馬が加わって3年が経過した。アイシンからシーホース三河、琉球ゴールデンキングスと、彼がこれまでプレーした優勝候補とは全く異なる環境に苦しみ、戸惑うこともあったが、4年目の開幕を迎えるにあたり自信に満ちている。昨シーズンに得た手応えを持ち込み、継続路線の中で『収穫の年』にする。その自信と責任感が彼にとっては開幕に向けた強いモチベーションになっている。
開幕を控えた今、34歳の橋本は『ダンク』に挑戦!?
──最近はダンクの練習をしていると聞きました。178cmのポイントガード、しかも34歳のベテランがダンクにチャレンジするのは遊び半分なのか、本当に試合で使うつもりなのか、どういう意図ですか?
スポンサーや関係者の方々とお話する中で、相手の方があまりバスケを知らなかったりすると、「バスケットボール選手=ダンク」というイメージで「ダンクはできますか?」と絶対聞かれるんですよ。実際のところ僕はダンクできないので「できないです」と答えるんですけど、そこで話が終わっちゃうのは残念だなと思って。今の身体の状態ならリングには触れそうだし、ちょっとトライしてみようかなと(笑)。
僕自身いろんなことにトライしたくて、アップなんかでダンクをすれば誰かしら撮影してくれているだろうし、ある程度の年齢ですけど望めばやれるんだということを伝えられたらと思ったのがきっかけですね。
──同郷の福岡の先輩で言うと、47歳の川面剛さんが加納督大選手の引退試合でダンクをしていました。
あの人はすごすぎます。練習で自分が教えた後にダンクしたり、いろんなところでダンクしてますもんね(笑)。ダンクできる人に聞くと「とにかく高くジャンプしろ」と言うんで、今は毎日ジャンプを何本かやって練習を終えるというルーティンでやっています。
──遊び心からのダンクの練習であっても、プレーヤーとしての能力向上には繋がりますね。
どんなことも無駄はなくて、絶対に繋がると思っています。今シーズンはウエイトトレーニングも重くするより身体を使いやすくすることを優先していて、身体のコントロールやトレーニングの重要性を自分の中でもう一度考えるようになりました。年齢を重ねるごとにバスケの練習を何時間もやる中で、身体の基礎となる部分の強化だったりコントロールに時間を割くようになっています。それがバスケの良いパフォーマンスにも繋がっているし、そこを強化したから今ダンクに挑戦することもできるんだと思っています。
「勝つことで喜んでもらうのが僕たちの仕事」
──レバンガでの4年目のシーズンを、どのような心境で迎えますか?
今シーズンは期待してほしいです。自分自身にもそういうプレッシャーを与えていきたいと思っているし、それに応えたいです。先ほども言ったように、ファン、ブースターの皆さんにレバンガが変わる瞬間をお見せしたいですし、皆さんには今シーズンのチームの一員だと思って一緒に戦ってほしいです。
ここ3シーズンはなかなか勝てなかったんですけど、本当にたくさんの人が会場に足を運んでくれて応援してくださいました。どんなレバンガでも応援してくれる、その優しさ、温かさは一つ事実としてあると思います。それぞれの選手が好きだったり、チームを応援するのが楽しかったりすると思うんですけど、その中で勝つ姿を求めることも付け加えてもらいたいです。それを強く求めてもらって、勝つことで喜んでもらうのが僕たちの仕事です。
ただ選手として活動するだけじゃなく、試合に勝つ、チャンピオンシップに行くことで、応援してくれる皆さんに喜んでもらいたい。だから「今日の試合はダメだった」と言ってもらっても全然構いません。ファンの皆さんが温かいのは分かっているので、厳しい目で応援してもらって、そこで一緒に喜びたいです。
──ベテランで4年目となれば、フロントとやり取りする機会も多いと思います。チームとクラブ一体で結果を出したいという思いはありますか?
もちろんです。フロントとはいろんなコミュニケーションを取っていて、自分でも「本当にここまで言っていいのかな」ってぐらいのことを言うこともありました。その中でレバンガは社長の折茂(武彦)さんとヘッドコーチの佐古(賢一)さんがタッグを組んでいるのがすごく大きくて、レバンガが強くなるにはチームだけじゃなくフロントの強化も間違いなく必要だといろんなところで話していると思います。なので会社全体としても、勝つためには自分たちがどうしなければいけないのかを本気で意識するようになっているし、僕ら選手としてはフロントに「頑張って良かった」と思ってもらうためにも結果を出さなきゃいけない、そうやって強い組織を作っていかなければいけないと思っています。
「レバンガでのいろんな経験を糧に大きく飛躍したい」
──間もなく2022-23シーズンの開幕となります。最後にファンの皆さんにあらためてメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。今シーズンはレバンガにとっても僕個人にとっても勝負の年になります。チームでやってきたことはもちろん、僕自身もレバンガでのいろんな経験を糧に大きく飛躍したいと思っています。チャンピオンシップ進出という目標はいろんなところで語っていますが、そこまで行くには間違いなく一人ひとりの、また僕自身の飛躍が必要になってきます。
レバンガがチャンピオンシップに出ればBリーグ全体を驚かせられると思うので、僕はそれを目指します。個人としても昨シーズンは良い経験ができ、成長できたと思っているので、今シーズンはそれを結果に繋げられるよう、ベストファイブを狙うぐらいのつもりで準備しています。それぐらい貪欲に、Bリーグ全体に「レバンガは厄介な相手だ」と相手が辟易するようなチームにならないといけない。その一役を担える選手になるよう頑張ります。応援よろしくお願いします。