選手層を分厚くする補強に加え、エースのカワイが待望の戦線復帰
カワイ・レナードは2020-21シーズンのプレーオフ、カンファレンスセミファイナル第4戦を最後に1年3カ月もの間、実戦から遠ざかっている。ケガをした当初は「問題ない」と本人がコメントしていた右膝は前十字靭帯の部分断裂で、結果としてカワイは昨シーズンを全休することになった。
クリッパーズは昨年オフの時点でカワイと4年1億7630万ドル(約250億円)のマックス額での契約延長を交わすとともに「復帰のスケジュールを立てること自体をやっていない。カワイを回復に集中させたい」とコメントしている。
31歳のカワイの回復を最優先して昨シーズンをあきらめたようなものだが、クリッパーズはカワイにそれだけの価値があると認めているからこそ、すべてを賭けている。今の時点でもなお、クラブはカワイの復帰時期について公式な発表はない。しかしワークアウトの様子を収めた動画、関係者のコメントから、開幕に向けた準備は順調に進んでいると見られる。プレシーズンに出場するかどうかはクラブの方針次第だが、レイカーズとのシーズン開幕戦への出場は間違いないものと見ていいだろう。
プレーオフ進出は最低限のノルマ。そこで勝ち上がるにはチームの総合力とクラッチタイムの勝負強さが問われるが、今のクリッパーズはその両方を兼ね備えている。
昨シーズン途中に加入したノーマン・パウエルとロバート・コビントンはチームにフィットしており、レジー・ジャクソンとテレンス・マンのいるポイントガードのポジションには復活に懸けるジョン・ウォールも加わり、ロスターは分厚くなりチーム内の競争は激しくなる。大物選手の補強はないが、カワイの復帰は最大の戦力アップとなる。
昨シーズンはカワイが全休となり、エースの仕事を一手に引き受けたポール・ジョージは常にケガを抱えながらのプレーを強いられた。だが、カワイが復帰すればすべては変わる。クリッパーズはそう期待しているし、カワイ自身も期するものがあるはずだ。