ダニーロ・ガリナーリ

チームのニーズを完璧に満たすはずのガリナーリが使えず

ダニーロ・ガリナーリはイタリア代表の一員として参加していたワールドカップ予選の試合中に左膝を痛めた。ケガをした当初は内側側副靱帯の損傷で、ユーロバスケット出場はかなわなくなったものの、今オフに移籍が決まったセルティックスへの影響は最小限で済むと見られていたが、その後の検査の結果で前十字靭帯の断裂であることが判明。復帰は早くても2022-23シーズン終盤で、シーズン全休の可能性もある。

ガリナーリはキャリアを通じて3ポイントシュート成功率38.2%の『ストレッチ4』だ。セルティックスは昨シーズンのプレーオフでジェイソン・テイタムが41.0分、アル・ホーフォードが36歳にして35.4分と、スモールフォワードとパワーフォワードの層の薄さが主力の過度な負担を招いており、ベンチからの得点はリーグでも下位だった。

実績と経験を備えたガリナーリがセカンドユニットの軸となることで問題は解決できるはずだった。しかも彼はキャリア初のNBA優勝を実現するため、ホークスに在籍した昨シーズンには2000万ドルだった年俸を650万ドルまで削ることを受け入れていた。これだけの条件が揃ったガリナーリの代役を用意するのは不可能と言っていい。

ガリナーリはナゲッツ時代の2013年4月に前十字靭帯を断裂しており、このケガで2013-14シーズンは全休となった。それから今までに多くのケガを負い、そのたびに乗り越えてきたが、今回はケガの深刻さでもタイミングでもキャリア最悪のケガとなりそうだ。

セルティックスにとってもダメージは大きい。チームのニーズを完璧に満たす選手を補強できたはずが、トレーニングキャンプが始まる前にプランの大幅な見直しを迫られることになった。

今回のケースはケガによるサラリーキャップの適用除外に該当し、リーグの承認を待ってガリナーリの年俸の半分がサラリーキャップから除外され、代わりの選手との契約に使えるようになる。だが、ガリナーリほどチームのニーズに合う選手を今から見付けるのは相当に難しい。シーズンの幕開けを前に、チームは難しい局面に立たされた。