馬場雄大

第2戦で新スタイルにアジャスト、指揮官も上々の評価

8月14日に開催されたイラン代表との国際強化試合『Softbank cup2022』の第2戦。前日の第1戦と同様にスタメン起用された馬場雄大は、約25分のプレータイムでチームハイの21得点を挙げた。

試合後の記者会見で総括を問われた馬場は「最初は重い展開だったんですけど、ベンチから出てくる、アジアカップでプレーしたメンバー(河村勇輝、須田侑太郎、西田優大、吉井裕鷹)が勢いをもたらしてくれました。今日はイランの選手が少し疲れていたところもありましたが、ディフェンスからのトランジションオフェンスに関しては昨日よりも上手く出せたと思います」とコメント。自身のパフォーマンスについては、終盤のディフェンスとボックスアウトの徹底に課題が残ったと話した。

ドライブからのアタックに大きな強みを持っている馬場が、トム・ホーバス体制では『ドライブよりも3ポイントシュートの割合を増やす』という新たなチャレンジに踏み出していることは、これまでの記事でも紹介した通り。ホーバス体制での初陣となった第1戦では、ドライブと3ポイントシュートの選択で明らかに躊躇したシーンが何度か見受けられ、試合後に「20年続けてきたスタイルを変えるのは簡単なことではない」と率直な思いを語った馬場だが、一夜明けたこの試合では序盤から思い切りの良い3ポイントシュートを沈めて修正力をアピールした。

若手主体のイラン代表とは早々に点差がついたものの、これをあまり意識せず、いかにホーバスヘッドコーチが求めるバスケットを遂行するかにフォーカスしながら自身のプレーをすり合わせていたと馬場は言う。「僕が3ポイントシュートを打って、トム監督から『そこはドライブで』と言われた場面もあれば、逆に僕がドライブをしたときに『打って』と言われた場面もありました。もう少し上手くドライブと3ポイントシュートを混ぜることができたらなと思っています」

このように一つひとつ課題を見つけ、クリアしようとしている馬場について、ホーバスヘッドコーチはこのようにコメントしている。「馬場は始まったばっかりだから、今やってほしいことは3ポイントシュートだけど、すごく頑張っているよ。今日も3ポイントは5本中2本成功で40%。全然悪くない。試合後にコーリー(ゲインズアシスタントコーチ)と、『馬場のスタッツは昨日と今日で似ていたけど、今日のほうが落ち着いてウチのバスケットをやっている感じだね』と話したところ。少しずつ上手くなっていると思います」

2019年より日本を離れ、アメリカやオーストラリアの猛者たちに揉まれて磨かれた馬場の力は、合流間もない日本代表でも際立った存在感を発揮。この試合では、河村のスティールから豪快なダンクも決めて、会場を大いに沸かせた。25日(現地時間)にイランで開催されるWindow4は、フルメンバーのイラン代表が万全のスカウティングのもとに日本代表を待ち構えているだろう。華のあるプレーを礎に、新しい課題の下にぐんぐんと進化している馬場が、敵地でさらにアップデートされたプレーを見せてくれることに期待したい。

予備登録メンバー19名
ニック・ファジーカス(C/207cm/川崎ブレイブサンダース)
ニカ・ウィリアムス(C/203cm/島根スサノオマジック)
岸本隆一(PG/176cm/琉球ゴールデンキングス)
比江島慎(SG/191cm/宇都宮ブレックス)
アキ・チェンバース(SF/191cm/群馬クレインサンダーズ)
永吉佑也(PF/198cm/ライジングゼファー福岡)
須田侑太郎(SG/190cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
張本天傑(PF/198cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ) 
富樫勇樹(PG/167cm/千葉ジェッツ)
渡邊雄太(SF/206cm/-) 
馬場雄大(SG/195cm/-) 
コー・フリッピン(SG/188cm/琉球ゴールデンキングス) 
寺嶋良(PG/179cm/広島ドラゴンフライズ) 
シェーファー・アヴィ幸樹(PF/206cm/シーホース三河) 
吉井裕鷹(SF/196cm/アルバルク東京) 
川真田紘也(C/202cm/滋賀レイクス) 
西田優大(SG/190cm/シーホース三河) 
井上宗一郎(PF/201cm/サンロッカーズ渋谷) 
河村勇輝(PG/172cm/横浜ビー・コルセアーズ) 
※平 均 (Average) 192.4cm、 27.8歳