トレイ・ヤング

「どれだけダイナミックなバックコートになるかみんな分かっていない」

ホークスは2年前の2020-21シーズンに6シーズンぶりにプレーオフカンファレンスファイナルまで進出したが、昨シーズンはファーストラウンドでヒートに敗れた。すると今オフにはダニーロ・ガリナーリと2023年のドラフト1巡目指名権(ホーネッツ経由)、2025年と2027年のドラフト1巡目指名権を手放して、チームのエースであるトレイ・ヤングの相棒に、デジョンテ・マレーを獲得した。

ルーキーシーズンから主力としてホークスを引っ張っているヤングは、昨シーズンに平均28.4得点、9.7アシストを記録。 キャリア平均も25.3得点、9.1アシストを記録しているが、これまではプレーメークに得点と負担が多かったのも事実で、そこに昨シーズン平均21.1得点、9.2アシスト、8.3リバウンドを記録したマレーが加わるのは大きい。また、ヤングとマレーは同じポイントガードでもタイプが異なり、イマジネーションに溢れて誰も想像つかないパスを出すヤングに対して、マレーはクイックネスを生かした突破とミスの少ない堅実な選択をし、さらにディフェンス面でも定評がある。

タイプは違えど、ともに得点力とアシスト力を兼ね備えた新コンビへの期待は大きい。ヤングは先日『Yahoo Sports』の取材に応じ、マレーとのコンビについて「考えてみると、ちょっと恐ろしいよ。得点力がある2人が揃うと、どれだけダイナミックなバックコートになるのかみんな分かっていないと思う」と語った。「僕たちは2人とも1試合で20得点以上取れるし、9回以上アシストするんだ。それだけじゃなく他にも武器はあるから、楽しいシーズンになると思う。デジョンテのようなプレーメーキングができるガードがもう一人いてくれることは、僕たちにとって素晴らしいことだよ」

昨シーズンのヤングは平均得点でキャリア2番目、平均アシストはキャリアハイを記録。また、現地1月3日のトレイルブレイザーズ戦ではキャリアハイの56得点を記録した。新シーズンもどんな数字を記録するのか楽しみだが、個人目標を問われたヤングは「正直に言うと、シーズン中に個人的な目標はあまり立てないんだ。例えばオールスターに入りたいとか、そういうことは考えたりするけど、僕のメインはチームで勝つこと。この仲間たちを頂点に導きたい」と答えた。

こう語ったヤングは、自身のSNSでオフシーズン中のトレーニングの様子をアップしている。そこにはステフィン・カリーやカイリー・アービングとともにワークアウトに励んでいる写真もアップされている。ヤングは言う。「僕は試合に対しては生徒だからね。常に学ぼうとしているし、より良くなろうと努力している。毎年夏はもっと上手くなるために、多くの時間を費やしているんだ。ジムに行ったり、他の選手と一緒に練習できる機会が与えられれば、いつでも飛びついているよ。僕はより良いバスケットボール選手になりたいから、彼らと一緒に練習することができて良かったと思う」

また、比較されることが多いカリーについても、ヤングはこう語った。「彼がKT(クレイ・トンプソン)と一緒に初めてNBAで優勝した時、僕は高校生ぐらいだった。当時の僕は子供だったけど、彼のプレーをよく見ていたことを覚えている。それに当時も今も彼のファンであることに変わりない。NBAで対戦してみて、試合内容は違うけど、彼とはある部分が似ていると思うんだ。僕は絶対にチャンピオンになりたいと思っている。彼は僕にとっての基準なんだよ」

新たな相棒とともに挑む新シーズンで、ヤングはチームをキャリア初のNBAファイナル進出、そして優勝へ導くことができるか。ヤングの挑戦に注目したい。