「バスケ人生に悔いが残る」との思いで先発のチャンスをつかんだ北海道の松島良豪

2018/10/26
Bリーグ&国内
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松島良豪

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

北海道が目指す『相手を助手席に座らせる』守備

レバンガ北海道は先日行われた千葉ジェッツ戦を78-110で落とした。相手の激しいディフェンスに手を焼き、良いシュートで終わることができず、トランジションを許したことが大敗につながった。北海道はゾーンディフェンスやマッチアップ気味のディフェンスなど、チェンジングディフェンスで千葉のリズムを狂わそうとしたが、思うような効果は得られなかった。ジョゼ・ネトヘッドコーチもハーフコートディフェンスが機能していなかったことを一番の課題に挙げた。

「いろいろなディフェンスを試したが遂行度が良くなく、ハーフコートディフェンスが機能しなかった。遂行度が良くないために戦術を変えるという考えでは、根本の解決にならない」

先発を務める松島良豪もネトコーチと同様にディフェンス面を敗因に挙げた。「ディフェンスのローテーションに関して、お互いが小さな約束事を守れていなかったりしました。前半で50点取られるのはウチが目指しているバスケじゃないです。ヘッドコーチからは戦術よりもファンダメンタルのところができてないと言われました。細かいところの積み重ねですね」

北海道はここまで3勝5敗。勝ちゲームの平均失点は60と、ディフェンスが生命線となっている。松島はネトコーチが求めるディフェンスをこのように説明した。

「激しいディフェンスをして運転席を取らせないというか、こっちが『ハンドルを握って相手を助手席に座らせる』とコーチによく言われます。僕らから仕掛けて、相手がやりたいことをやらせないようにする、ということです」

ゾーンディフェンスの場面ではパスを回される前にボールプレッシャーを高め、パスコースを限定する『攻めのディフェンス』が確かに見られた。だが「今日はヘルプに寄りすぎたり、ビッグマンの位置だったり、細かいところができてなかった」とまだネトコーチが求める高い水準まで達していないことを松島は認めた。

松島良豪

自身の性格を凌駕した先発への思い

キャリア6年目を迎えた松島だが、これまで先発を務めることは少なく、ベンチからの出場が主だった。だが今シーズンは開幕戦こそ途中出場となったが、それ以降の7試合で先発を務めている。

「きれいごとかもしれないですけど、僕が試合に出ることで他の人が悲しむくらいなら自分が出ないほうがいい、って思ったりします。こう見えて勝負事に向いてないんですよね」と勝負師らしからぬ優しい一面を見せる。それでも今シーズンに懸ける思いは、自身の性格を超えるほど大きなものだった。

「ヘッドコーチが変わったこともあって、スタートラインがゼロになりました。そこで出たいという気持ちが出て、ここでチャンスをつかまないとバスケ人生に悔いが残るなって初めて思ったんです。毎年控えに甘んじてきて悔しかったので。今シーズンは絶対にスタートで試合に出たいって」

まだ8試合を終えたばかりだが、先発に定着してプレータイムが伸びたことで、得点とアシストではキャリアハイの数字を残している。

松島良豪

「ここで俺は出すよ」というメッセージ

プレータイムが増加すれば、それだけミスが起きる可能性も増える。平均1.9ターンオーバーはワーストの数字だ。だがアシストとターンオーバーは紙一重であり、安全策を取り続ければ、違いを生み出すことはできない。今シーズンの松島は積極的にリードパスを送り、合わせのパスを供給し続けている。そうした受け手へのメッセージがアシストとターンオーバーに変化する。

「ターンオーバーが増えるのは僕自身嫌なんですけど、今シーズンは積極的に行く気持ち、ターンオーバーしてもいいから積極的にという気持ちを持っているので」とある程度想定内のようだ。

松島は言う。「僕の持ち味はディフェンスとアシストだと思うので、味方に生かしてもらえるように、僕も狙っているよというのは伝えながらやっています。『ここで俺は出すよ』というのを試合でやっておかないと、受け取る選手も『ここでくるんだ』という構えをしてくれないので。練習でも試合でも、コミュニケーションをとりながら積み重ねていきたいです」

「スタートで出ている以上、みんなの責任も背負って勝ちたい」と意気込む松島。先発の座をつかみ、キャリアシーズンを目指す戦いはこれからも続く。