最後までディフェンスの強度を落とさずに主導権を渡さない
バスケットボール男子日本代表は今日、イラン代表との国際強化試合『SoftBankカップ2022』第2戦に挑んだ。
第2戦の日本の先発は富樫勇樹、須田侑太郎、馬場雄大、井上宗一郎、ニカ・ウィリアムスの5人。先制点はイランに許したが、日本も馬場が3ポイントシュートを決めて対抗する。高さがあるイランを相手にペイントエリア内ではダブルチームでプレッシャーを与えるが、そこで生まれたズレを相手に突かれて連続失点に。また、チームで須田のシュートチャンスを作り出すも、第1戦で7本中6本の3ポイントシュートを決めていたこともあり厳しいマークに遭い、得点が思うように伸びず重い展開となった。
それでもベンチから出場した河村勇輝が試合の流れを変える。ディフェンスでは高い位置から相手の司令塔にプレッシャーを与えていく。また、チーム全体で足を動かすことでイランのビッグマンにダブルチームに行きつつも、その後のローテーションを徹底し、24秒バイオレーションを誘発。続くポゼッションで前から当たってボールを奪い馬場のダンクシュートをお膳立てした河村は、さらにディフェンスリバウンドを取った永吉佑也からボールをもらうと、すぐさま前を走る馬場にロングパスを供給するなど、広い視野を生かしたゲームメークを披露。一時は9点ビハインドを背負っていたが、残り2分を切って同点に追いつき、16-17で第1クォーターを終えた。
第2クォーター、日本は前からトラップを仕掛けてトラベリングを誘発するなど、前半だけで12ターンオーバーを奪ったようにディフェンスで違いを見せる。オフェンスでも河村と吉井裕鷹の合わせや井上宗一郎の3ポイントシュートなどで若手がチームに勢いを与えると、比江島慎も3ポイントシュートで続き、開始約2分で26-23と逆転。第1戦で26得点を取られたモハマッド・ジャムシディに対してはアキ・チェンバースが粘り強いディフェンスで自由を与えないが、高さのある相手にリバウンドを取られ一進一退の攻防が続く。しかし、ベンチから出場したホーバスジャパン常連組の西田優大のキレのあるアタックや富樫の連続3ポイントシュートなどで残り約3分半を10-2として突き放し、前半を41-31で終えた。
後半、日本はディフェンスのギアをさらに上げ、守備から主導権をつかんでいく。そして、馬場や富樫が積極的にペイントアタックを仕掛ければ、ストレッチ4の井上がしっかりと3ポイントシュートを沈めるなど外と中からバランス良く得点し、開始4分間で51-31とリードを広げる。富樫も体格差のある相手へのディフェンスで身体を張りつつ、ボールを下げた隙を見逃さずにティップするなど、チーム全体でフィジカルを生かした力強いディフェンスで第3クォーターの失点を11点に抑えた。59-42で迎えた最終クォーターも日本はディフェンスの強度を落とすことなく、24秒や8秒バイオレーションを誘発するなど、イランに主導権を渡さないまま最終スコア80-58で勝利した。
日本は馬場がゲームハイの21得点と2リバウンド2スティール、富樫が12得点6アシスト3スティール2リバウンド、比江島も12得点、河村が3得点5リバウンド5アシスト4スティール、永吉が5得点6リバウンド2アシストを記録した。チームでもイランから23ターンオーバーを誘発し、そこから26得点を挙げると、ファストブレイクポイントでも21-6と、まさに堅守速攻を体現した。