渡嘉敷来夢

恩塚ヘッドコーチ「インサイドで一人で打開できる力は大きなものがある」

8月11日、女子ラトビア代表との国際強化試合『三井不動産カップ2022(宮城大会)』の第1戦が行われ、女子日本代表が83−54で快勝した。

赤穂ひまわりの23分26秒が最長のプレータイムとなったように、日本はタイムシェアを駆使して多くの選手を使った。その中で17分弱のプレータイムながらゲームハイ(タイ)の15得点を挙げて抜群のインパクトを残したのが渡嘉敷来夢だ。

渡嘉敷は第1クォーター途中にコートに送り出されると、東藤なな子や安間志織との合わせからインサイドでスコアし、3ポイントシュートがなかなか決まらず、重たくなった序盤の攻防で優位に立つ立役者となった。渡嘉敷は「まずはボールを持ったら積極的にリングにアタックしようと思っていました」と話し、自身のプレーをこのように振り返った。

「特に3ポイントシュートが入らない時間が続いた時、ディフェンスから走るバスケもそうなんですけど、少しでもペイントアタックなり、フリースローに繋げることができればいいなと思いながらプレーしていました。ペイントでボールを持った時は練習ゲームでも得点に繋がっていたので、そこは自信になっていました。Wリーグだと(徹底的にマークされ)あまり1対1で攻める機会がなく、1対1になったら積極的に攻めようと思っていたので、いつもできないことができて楽しかったです」

外に当たりが来ない中で外一辺倒にならずに済んだのは、渡嘉敷が8本中6本成功と高いフィールドゴール成功率を記録し、ペイントで得点できたからに尽きる。恩塚亨ヘッドコーチも「インサイドで一人で打開できる力はものすごく大きなものがある」と渡嘉敷の存在の大きさを語った。

「1対1でフィニッシュできますし、1対1で守り抜くことができる。渡嘉敷選手がインサイドで身体を張ることで安心感だったり、躍動感がチームに生まれるとあらためて感じることができました。大きな存在だと思っていますし、生き生きとプレーできるように考えていきたいです」

指揮官が称賛するように、渡嘉敷は世界レベルの個の力を有するが、チームファーストの精神でプレーしている。「少しでもチームのためにやるべきことができればと思っていて、流れが悪い時間でも声を出し続け、我慢するところは我慢する。ディフェンスから良いリズムが作れたと思うので、その点に関しては練習でやってきたことがしっかりと出せました。3ポイントシュートが入らない時間帯でも、リバウンドを取ってシューターに少しでも打ちやすいようにできたらいいなと思っています」

試合終盤には3ポイントシュートも成功させた。合宿中の会見で「自分も入るんだぞというところを見せたい」と意気込んでいたが、有言実行となった。「3ポイントシュートもチャンスがあったら打とうと思って練習してたので、その成果が少しでも出て良かったです。今日だけでは良くないと自分で思っているので、これをコンスタントに発揮できるようにしていきたい」

2月に行われたワールドカップ最終予選以来、約半年ぶりの代表ゲームとなった渡嘉敷だが、あらためて日本に必要不可欠な存在であると思わせるパフォーマンスだった。