ブレイク・グリフィン

写真=Getty Images

「今年の夏は、3年ぶりにワークアウトに集中できた」

10月23日のセブンティシクサーズ戦でキャリアハイとなる50得点を記録し、チームの開幕3連勝に貢献したブレイク・グリフィン。去年の夏に5年1億7300万ドル(約193億円)のスーパーマックス契約を結びながら、昨シーズン途中にクリッパーズからピストンズにトレードされたことは記憶に新しい。だがピストンズ移籍後すぐに本来のパフォーマンスを発揮できなかったばかりか、チームのプレーオフ進出にも貢献できず、批判された。

シーズン開幕前に『ESPN』が発表した、NBA現役トップ100ランキングでは33位という評価を受け、2009年のドラフト全体1位選手のプライドを傷つけられもした。だが、今年のオフは幸いにもケガと向き合う必要がなく、グリフィンはトレーニングだけに集中できた。グリフィンは、シクサーズ戦後、思いを語った。

「この2、3年は、悪いことしか言われなかった。自分はケガをしていたし、酷いプレーをしてしまったからね。これまでのプレーができていなかった。でも、今年の夏は、3年ぶりにワークアウトに集中できた。これが大きかったね。この3年間は、身体を少しでも良い状態にすることだけに集中してきた。それが今年は技術や、肉体面のトレーニングに時間を使えたからね。僕は、ハードワークを続けていれば必ず報われると信じているんだ」

今シーズンからピストンズの指揮を執るドウェイン・ケーシーも、「ブレイクは、私が知っているベテラン選手の中で、最も綿密に計画されたトレーニングをこなして、私が見てきた中で誰よりも印象に残る練習をこなした選手の一人」と、グリフィンのトレーニングに対する姿勢を称賛している。トレーニングキャンプの時期からチーム内で積極的にリーダーシップを発揮したグリフィンは、シクサーズ戦でもチームメートに声を掛けて鼓舞しながら、プレーでチームを引っ張った。

シーズン開幕前の時点では、ピストンズのプレーオフ進出を予想する意見は少なかった。しかし、オールラウンダーであるグリフィンが本来の姿を取り戻したのであれば話は変わってくる。まだシーズン序盤ではあるものの、ペイサーズ、バックスらとともに、セルティックス、ラプターズ、シクサーズの三強に対抗できるだけの力を持ったチームになれるかもしれない。

グリフィンが今後もシクサーズ戦のようなプレーを続けられるかどうかが、ピストンズの命運を左右する。