ラッセル・ウェストブルック

トレーニングキャンプ開始より先に編成を固めたいチームにとっては『決断の時』

レイカーズとニックス、ジャズの間で3チーム間トレードが話し合われたと『HoopsHype』が報じた。

ニックスは新たなエースとして、ドノバン・ミッチェルを何としてでも手に入れたい。ジャズは『チームの顔』であるミッチェルの放出も辞さないが、ニックスとの交渉は停滞している。ここにラッセル・ウェストブルックを放出したいレイカーズを加えることで、話が進展するかもしれない。

ジャズはウェストブルックを受け入れてバイアウトすることができる。ニックスにミッチェルを、さらにレイカーズにパトリック・ベバリーやジョーダン・クラークソン、ボーヤン・ボグダノビッチ、マリーク・ビーズリーから2選手を譲渡することで、多数のドラフト指名権を手に入れる。ルディ・ゴベアのトレードでは1巡目指名権4つを手に入れたが、今回の収穫はそれ以上となるはずだ。ゴベア放出の時点ですでに再建へと舵を切っており、他の主力の放出もロスターに柔軟性を持たせる意味でジャズにとってはプラスとなる。

レイカーズはトレーニングキャンプ開始までにウェストブルックを放出したい。そのためには2つの1巡目指名権を手放すことになりそうだが、他の選手や2巡目指名権を織り交ぜることで1巡目指名権は1つ残しておきたい、というのが交渉のポイントとなる。その場合はポイントガードが不在となるが、チームで一番の高給取り(4700万ドル)であるウェストブルックが抜ければ、対応のやり方はいくらでもある。

ニックスは再建期を経て有望なチームになっているが、クラッチタイムを任せられるエースがおらず、新しい『チームの顔』としてミッチェル獲得を熱望しているのは周知の事実。ミッチェルはオフの生活の拠点をニューヨークに据えており、強い結び付きができそうだ。ジャズが再建モードに入ったこのチャンスを逃すことはできず、ゴベア獲得のためにティンバーウルブズが出した1巡目指名権4つよりも上の条件を提示する思い切った決断もできるはずだ。

ネッツでは2人のスーパースター、ケビン・デュラントとカイリー・アービングに移籍の可能性があり、このことが移籍市場全体を『様子見』にさせている。それでもカイリーはネッツでプレーを続ける意向を示しているようで、デュラントはトレード要求から1カ月が経過しても動きがない状況。トレーニングキャンプ開始より先に編成を固めたい他のチームはそろそろ動かなければならない。

様々な要因が絡んでくるものの、「ウェストブルックを放出したい」レイカーズに「ミッチェルが欲しい」ニックス、そして「チーム再編のため主力を将来の資産に代えたい」ジャズの要求をすり合わせるのは不可能ではないだろう。ここまでは例年よりも静かなオフだったが、この先にビッグディールが立て続けに決まるかもしれない。