後半開始3分で渡邊が離脱も、富樫を筆頭に
『アジアカップ2022』に参戦中のバスケットボール男子日本代表が、ベスト8進出をかけてフィリピンと対戦した。
日本の先発は富樫勇樹、西田優大、須田侑太郎、渡邊雄太、ルーク・エヴァンスの5人。試合の立ち上がり、西田のランニングシュート、須田の3ポイントシュート成功とトランジションが機能。渡邊もディフェンスリバウンドからそのままフィニッシュまで持ち込み、3点プレーとなるバスケット・カウントを決めるなど先行した。
ディフェンスも強度が高く、よく足が動いて1対1で守り切って失点を防いだ。そして、開始5分弱、エヴァンスのオフェンスリバウンドから須田がノーマークの3ポイントシュートを沈めて、リードを2桁に乗せた。その後、途中出場のキーファー・ラベナにパワフルなドライブを連続で決められてしまうが、日本はセカンドユニットに代わっても力が落ちず、32-16で第1クォーターを終えた。
第2クォーター序盤、ペイントアタックからのキックアウトなど、良いシュートを打つもフィニッシュが決まらず、なかなかファウルが鳴らずにディフェンスの戻りが遅くなったことで日本は失速。開始3分半で0-9と走られたところでタイムアウトを要請した。
すると、指揮官のトム・ホーバスから「強気で行け」と喝を入れられたことで日本は息を吹き返す。メンバーを先発に戻すと、富樫がアンダーで守られた瞬間に3ポイントシュートを沈め、西田がタフなディフェンスでレイ・パークスジュニアからオフェンスファウルを誘発と、悪い流れを払拭した。
こうして盛り返した日本はフィリピンの粘りに遭いながらも、理想とするペイントアタックからの連携が増え始め、渡邊の連続アタックで締めくくり、50-34で前半を終えた。
後半開始3分、日本に最大の試練が訪れる。トランジションから速攻に持ち込んだ渡邊が右足を捻り、続行不可能となった。前半だけで12得点9リバウンドを記録し、直前にも1対1からバスケット・カウントを奪った渡邊の離脱が与える影響は間違いなく大きかったが、日本は決して崩れなかった。
富樫が強気に2本連続で3ポイントシュートを沈めると、エヴァンスも果敢にアタックしてバスケット・カウントを誘発。3ポイントシュートを決められるシーンもあったが、すぐに決め返す強さを見せ、27-29と互角でこのクォーターを終えた。
その後、日本はエヴァンスがインサイドで奮闘し、トラップディフェンスから西田がワンマン速攻を決めるなど攻守が噛み合う。開始4分には、吉井裕鷹がトランジションから思い切ってフィニッシュまで持ち込み、アンスポーツマン・ライク・ファウルを誘発した。そして、1投目のフリースローを沈めてリードを20の大台に乗せると、続くポゼッションで富樫がタフなステップバックスリーを決めて勝負を決定付けた。
最後まで集中力を切らさなかった日本は第4クォーターを25-18とし、最終スコア102-81で勝利した。日本は富樫がチームハイの18得点、エヴァンスが17得点、西田が15得点、須田が14得点を記録。渡邊の不在が各選手のステップアップを促し、全員バスケで価値ある勝利をつかんだ。