U17男子日本代表

得点ランキング2位の川島「たくさん挑戦し、失敗する中で見えてきたものがあります」

U17ワールドカップ、男子日本代表は最終日にドミニカ代表と対戦。立ち上がりこそ互角の戦いを演じたが、大会を通して課題となったターンオーバーからの失点の多さを修正できずに68-85で敗れた。

試合の出だし、連戦が続く中での最終試合でコンディションも良くないことが影響したのか、ともにシュート精度を欠いた。それでも、小川瑛次郎が高確率でシュートを沈めた日本が14-12と先行してこのクォーターを終える。第2クォーターに入っても互角の展開が続いたが、中盤以降はディフェンスリバウンドを取り切れない場面が増え、相手にセカンドチャンスを多く与えてしまう。さらにターンオーバーを喫すると、加速力で上回る相手のトランジションについていけず安易に失点を重ねた。前半のセカンドチャンスポイントで2-14と大きな差が生まれ、32-42とひっくり返されて試合を折り返した。

後半に入ると、最終的に40-36と上回ったように、リバウンド争いでは変化が見られた。しかし、ミスが増えた日本はターンオーバー数で8-18、ターンオーバーからの失点で7-26と自滅。大会初戦に69-81で敗れた相手に雪辱を果たしたいところだったが、最後まで主導権を握れずに完敗を喫した。

日本は1勝6敗、16チーム中14位で大会を終えた。唯一の勝利は同じアジアのレバノンを相手に挙げたもので、文字通り世界の壁を痛感した。U17においても、今や世界トップ10レベルとなれば、190cm台後半の選手がウイングのポジションを担い楽々とダンクを叩き込む身体能力を備え、ビッグマンは200cmオーバーかつ走れて跳べる選手ばかりだ。高さだけでなく、平面においてもリーチの長さ、瞬発力の違いに適応できずパスカットされる場面が目立った。

指揮官のアレハンドロ・マルチネスは「世界との身体的な差はもちろんあります。そして戦術的、技術面においてこれから向上していかなければいけないです」と、今後の改善点について語った。

今大会、相手の厳しいマークを受けながらもエースとして奮闘した川島悠翔は、最終的に1試合平均19.1得点を記録。首位のヤン・ビデ(クロアチア)の20.1得点にあと一歩届かず、大会前に狙っていると公言してきた得点王を逃したが、それでも見事な成績を収めたと言える。最終目標であるNBA選手の通過点として、川島が重視するNCAA強豪校への入学に向け、世界の舞台で関係者に自らの実力をアピールできたのは間違いない。

「今大会は自分の中でいろいろと反省が見えてきました。アジアと比べてプレッシャーは激しく、高さ、速さも強くなった部分で、自分がたくさん挑戦して失敗することで見えてきたものがあります。状況判断、フィニッシュ能力、ハンドリングとまだまだ足りないです。(福岡大)大濠に戻ってしっかり反省して練習して頑張りたいです」

こう大会を振り返った川島を筆頭に、すべての選手がワールドカップでしか得られない貴重な経験を積むことができた。これを糧に彼らがよりスケールの大きい選手へとステップアップする姿を見せてくれることを期待したい。

最終順位
優勝 アメリカ
準優勝 スペイン
3位 フランス
4位 リトアニア
5位 セルビア
6位 オーストラリア
7位 スロベニア
8位 ポーランド
9位 カナダ
10位 エジプト
11位 アルゼンチン
12位 ニュージーランド
13位 ドミニカ共和国
14位 日本
15位 マリ
16位 レバノン