レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

レブロン「ロケッツのレベルに達するには時間がかかる」

10月20日、ステイプルズ・センターでのロケッツvsレイカーズは、レブロン・ジェームズのホーム公式戦デビューが話題の中心になるはずだった。結果的にロケッツが124-115で勝利したのだが、試合は第4クォーター終盤に起こった『アクシデント』までは、どちらに転ぶか分からない接戦だった。

きっかけは、第4クォーター残り4分14秒に見られたプレーだった。ジェームズ・ハーデンがドライブを仕掛け、ブランドン・イングラムに巧みに身体を当ててファウルを誘うと、これにいら立ったイングラムがハーデンを押しのけ、テクニカルファウルをコールされた。

ランス・スティーブンソンとロンゾ・ボールが機転を利かせてイングラムをハーデンから引き離し、事態は収束されたかに思われたのだが、今度はラジョン・ロンドとクリス・ポールが口論になり、顔に指をさされて激高したロンドがポールに殴りかかったのを合図に『ラウンド2』のゴングが打ち鳴らされた。

揉み合うポールとロンドを止めようと両チームの選手が2人を分けようとした時、後方からイングラムがポールめがけて打ち下ろすようなパンチを振るい、状況が悪化。レブロンは、親友でもあるポールを小競り合いの輪の中から力づくで引き離して落ち着かせた。2回目のテクニカルファウルを科されたイングラムが退場処分となった他、ポールはダブルテクニカルで退場。そしてロンドは一発退場という処分を科され、コート上は一時騒然となった。

プレー再開後、ロケッツはハーデンがオフェンスを牽引。再び巧みにファウルを誘う技術を発揮し、フリースローで点差を広げると、残り1分12秒にはトドメの3ポイントシュートでリードを7点(120-113)に広げ、ロケッツが今シーズン初勝利を挙げた。

試合後、両チームの選手間に緊張感があったと思うかを聞かれたレイカーズ指揮官のルーク・ウォルトンは、イングラムとハーデンの小競り合いの前に見られたロケッツの危険なプレーについて言及。残り9分47秒、ドライブからペイント内に侵入を試みたジョシュ・ハートの首元に、ロケッツのジェームズ・エニス三世が腕を巻きつけるようにして倒した場面だ。映像判定の結果、審判はフレイグラントファウル1と判定したのだが、ウォルトンは「もし自分が選手だったら、『あの危険なプレーがフレイグラントファウル1なら、フィジカルなプレーが許される』と感じてしまう。選手たちは、重いペナルティが科されないことにいら立っていた」と語った。

荒れ試合になってしまったものの、レブロンは、ホーム公式戦デビューについて「素晴らしい雰囲気だった」とコメント。「ファンのみんながすごく興奮していた。チームも全力を尽くした。勝利をみんなにプレゼントしたかったけれど、とても刺激的な試合だった」と、続けた。

ロケッツとの差についてレブロンはこう語る。「ロケッツのレベルに到達できるのはまだ先の話。ロケッツ以外にも、西カンファレンスの大半のチームに追いつくには時間がかかる。彼らは一緒にプレーして長いからね。自分たちはミスから学び、成長していくんだ」

おそらく乱闘の当事者となったイングラム、ロンド、ポールには出場停止処分が科されるだろう。チームにとっては手痛い学びの機会になってしまったが、乱闘発生まで昨シーズンの首位を相手にワンポゼッションゲームができていたのは収穫になったはず。レイカーズは、これからも辛抱強く、日々チーム作りを進めていく。