富樫勇樹

「結果と若い選手たちの成長の両方を考えて、この大会に臨みたい」

バスケットボール男子日本代表は、7月12日からインドネシアのジャカルタで開幕する『アジアカップ2022』に出場する。

アジアカップに挑む12人のロスターは、ほとんどが先日のワールドカップアジア地区予選Window3に出場した選手だ。その中で今回のアジアカップには、トム・ホーバス体制となって初めて代表活動に参加している渡邊雄太、そして東京オリンピック後も代表チームを牽引している富樫勇樹が出場する。

今回の代表チームの平均年齢が25.7歳と若いことからも分かるように、Window3でフル代表デビューを果たした選手など若手が多い。そのため、キャプテンを務める富樫は「代表経験がそんなにない選手が半分ぐらいいる中での大会になるので、しっかり引っ張っていけたらと思います。雄太と一緒にプレー面を含めて、引っ張っていかないといけないと思っています」とリーダーとしての意気込みを語る。

「キャプテンとしてもそうですが、ここ数年、代表で試合をしてきている一人として、チームをしっかりと引っ張れればと思います。今のロスターには、僕も初めて同じコートに立つ選手が半分ぐらいはいるので、しっかりとコミュニケーションを取りながら引っ張っていきたいです」

その中で、先日のWinow3でフル代表デビュー戦ながらチームハイの得点を残して、インパクトを与えた富永啓生について「オーストラリア戦、チャイニーズ・タイペイ戦を見ましたが、特に富永選手の得点力はこのチームの武器になると思うので、ポイントガードとしてしっかり彼を視野に入れながらプレーしたい」と、富永への期待と司令塔として彼の力を生かしたいと続けた。

アジアカップに挑むロスターで、ポイントガードは富樫、テーブス海、河村勇輝の3人だ。しかし、ホーバスヘッドコーチは合宿に多くの選手を呼びチャンスの機会を与えているだけに、毎回の合宿や試合がトライアルの場も兼ねている。富樫は長らく、日本代表の正ポイントガードとして活躍し、東京オリンピックにも出場したが「ポイントガードの代表の枠を争っている選手は、正直かなりいっぱいいると思っています」と危機感を語った。「本当に毎試合、毎練習がアピールの場になると思いますし、僕はオリンピックに出たからといって、上にいる立場でもなんでもない。しっかりと結果を出していかないといけないという危機感を常に感じています」

FIBAランキング38位の日本は、アジアカップのグループ予選で23位のイラン、68位のカザフスタン、83位のシリアと対戦する。グループ予選内では日本はランキング的に2位だが、他グループには3位のオーストラリア、27位のニュージーランド、29位の中国、30位の韓国など、格上チームが多い。

富樫は「(FIBAランキングの)順位に関係なく、正直、全試合がチャレンジしないといけない試合」と言うと、男子日本代表として結果を残せていない近況を踏まえて、こう続けた。「なかなか良い結果、良いプレーをこの数試合は見せることができていないので、日本代表としてしっかり結果と内容を含めて良いところを見せていきたいです」

ホーバスヘッドコーチは直近の目標として、グループリーグ1位通過を掲げている。富樫は結果を残すとともに、若手選手の成長を意識して、このアジアカップを戦いたいと語った。「アジアカップではグループリーグ3連勝を目の前の目標にやりますが、他の若い選手たちの経験もすごく大事になってきます。結果とそういう選手たちの成長の両方を考えて、この大会に臨みたいです」

男子日本代表は、7月13日(水)19時半(日本時間)からカザフスタンと、7月15日(金)19時半からシリア、7月17日(日)19時半からイランと対戦する。