22得点で勝利に貢献し復調をアピール
千葉ジェッツは同じく3連勝中の新潟アルビレックスBBと対戦し、98-90のハイスコアリングゲームを制した。小野龍猛はマイケル・パーカーに次ぐ22得点を記録し、チームを勝利に導いた。
「シュートが当たっていたので、今日は自分が攻めようと思って、良い流れをチームに持っていこうとしました」と言うように、小野は第1クォーターに3本の3ポイントシュートを含む14得点の荒稼ぎでチームに勢いをもたらした。
その後、千葉がリードを保ち試合は推移したが、最終クォーター始まってすぐに新潟の猛攻を受け、2点差まで迫られた。千葉はそのタイミングでメンバーを先発に戻し、富樫勇樹の9連続得点で持ち直す。それでも強力なインサイド陣を擁する新潟に粘られ残り3分を切り3点差まで詰め寄られた。
1ポゼッション差と緊迫した場面で、小野は富樫のオフェンスリバウンドを3ポイントシュートにつなげリードを広げた。フリースローを決められ4点差とされた際も、小野は直後のオフェンスでも3ポイントシュートを沈めた。これが決定打となり千葉に勝利を呼び込んだ。
今シーズンの小野は開幕から5試合中4試合で1桁得点に終わるなど、精彩を欠いた印象がある。小野も「調子は悪かったです」と認めたが、「自分がいることによってチームに貢献できることがあると思いつつやっていました。シュートが入る入らないは自分のせいですけど、任されてる以上は責任を持って打ち続けようというメンタルでやっているので、今日はしっかり入って良かったです」と笑顔を見せた。
得点が入らなかったとしても、ポストプレーでディフェンスを収縮させたり、ボールを落ち着かせたりと、小野の役割は多岐にわたる。「いるだけで違うかなと思ってもらえるような存在でいたい」と小野は言う。
攻守とも復調するも「まだまだ完成度としては低い」
接戦をモノにし『勝ち切った』ことは一番の収穫だが、90失点を喫したディフェンスの難は看過できない。小野はコミュニケーション不足を原因に挙げた。「コミュニケーション不足だったり、些細なことなんですけど、そういうところが足りていないと感じます。コミュニケーションをもっと取らないとディフェンスではダメですね。90点取られてることは修正できていない証拠です」
指揮官の大野篤史ヘッドコーチも「コミュニケーションミスが多くあり、ディフェンスの浸透度合いが少なかった」とディフェンス面で同じ見解を示している。それでも監督と選手が共通認識を持っていることは、ここからの修正に期待できるということだ。
また、昨日の試合で千葉は速攻からの17得点を挙げた。数字だけを見ると少ないように感じるかもしれないが、大量失点によりボールデッドの状態が多かったことを考えれば、トランジションオフェンスが機能していたともとれる。小野も「良いところは出せた」と言うが、「まだまだ完成度としては低いかな」と満足はしていない。
「チームメートを信じてやっている結果」
千葉は川崎ブレイブサンダースとの先出し開幕戦に連敗し思わぬ船出となったが、昨日の勝利で連勝を4に伸ばし、徐々に本来の姿を取り戻しつつある。小野はこの復調の理由を「信頼が少しづつ見えてきた感じがします」と答えた。
「チームとしてやりたいことだったり、決まりことだったりを一人ひとりがやろうとしてるのが今は良いかなって。ヘッドコーチが求めてるバスケットを全員で遂行しないとうちは強くないので。チームメートを信じて、コーチのやりたいことを信じてやっているのが今の結果だと。この4連勝でまとまりが出てきたと思うので、シーズンを通して良いチームにしていきたい」
開幕節でつまずき、苦戦が続きながらも好成績を残している千葉。チームの団結力が増し、小野が復調の兆しを見せた今、ジェッツ号は上昇気流に乗ったのかもしれない。