富永について「最初の代表戦で、練習通りのプレーを見せてくれてハッピーです」
男子日本代表は7月1日、Window3の初戦でオーストラリア代表と激突したが、攻守ともに力の差を見せつけられ52-98の大差で敗れた。試合の立ち上がりこそ、富永啓生の連続3ポイントシュート成功により13-17と食い下がった日本だったが、ここから第1クォーター終盤にかけてミスから連続得点を許すと、第2クォーターにはオフェンスが完全に沈黙し、4-25のビッグクォーターを作られ、前半だけで30点の大量リードを奪われる完敗となった。
指揮官のトム・ホーバスは試合後の記者会見で「とてもタフな試合となりました。合宿では良い練習をこなせていましたが、練習でやってきたことを試合で見せられなかったことにフラストレーションが溜まりました」と語った。
そして、特に前半にチームオフェンスが全く機能しなかった理由をこのように分析した。「序盤にブロックを何本かくらい、ペイントアタックへの積極性を失ってしまいました。その後は3ポイントシュートを打つばかりで、これは私たちのやりたいものではなかったです。こうしてリズムを失ってしまいました」
この試合、日本は26本の2ポイントシュート試投数に対し、3ポイントシュートは37本も放った。3ポイントシュートを重視するスタイルの代表だが、ゴール下にしっかりアタックして相手のディフェンスを収縮させてから打つプロセスが大事だ。今日のように外でボールを回すだけの連動性のないオフェンスで打つのは望む形ではない。今日はまさに相手に打たされた3ポイントシュートばかりで、これでは成功率が27%と低いのも当然の結果だ。
大敗の中でも数少ない明るい材料だったのが、代表デビューでいきなり18得点を挙げた富永の活躍だった。これには指揮官も「富永は最初の代表戦で、練習通りのプレーを見せてくれて本当にハッピーです」と称えている。また、他の若手選手も試合では精彩を欠いたが、練習では良いプレーを見せていると続け、今回フル代表デビューのテーブス海、吉井裕鷹を先発起用したのは、彼らがそれに値するパフォーマンスを見せていたからと強調した。
「吉井は練習で素晴らしかったです。フィジカルにシュート力もある。テーブスはサイズとフィジカルがあるポイントガードで、ペイントにアタックできるスピードがあり、良いパサーです。彼も本来のプレーはできなかったですが、まだ成長途中です」
ホーバスは「今日の試合について、何も言い訳をするつもりはありません。でも私たちはもっと良いプレーができます」と語った。彼が言う通り、これは代表選手たちの100%を出し切った内容ではないだろう。ただ、いくら練習が良くてもそれを実戦で発揮できなければ意味がない。明後日のチャイニーズ・タイペイ戦では、今日の教訓を生かしたメンバーが練習でやってきたことをしっかり発揮し、ファンに本来の力を見せてくれることを願う。