「今の気分は良いけど、まだ何も成し遂げられていない」
現地6月13日に行われたセルティックスvsウォリアーズのNBAファイナル第5戦は、後半にリードを取り戻したウォリアーズが104-94で勝利し、優勝に王手をかけた。
この日はステフィン・カリーが3ポイントシュート9本すべて失敗と絶不調だったものの、アンドリュー・ウィギンズが26得点13リバウンド、クレイ・トンプソンが11本中5本の3ポイントシュートを含む21得点、ジョーダン・プールも再び超ロング3ポイントシュートをブザービーターで決めるなどベンチから14得点で勝利に貢献した。
優勝まであと1勝に迫った今も、ウォリアーズ黄金期を作り上げた一人のトンプソンに慢心はない。それは、2016年のファイナルで3勝1敗からレブロン・ジェームズを擁するキャバリアーズに大逆転負けを許した経験があるからだ。
トンプソンは「今の気分は良い。そこに関して嘘は言わない。だけど、同じ状況は2016年にも経験している」と語った。「あの当時は、あまりにも気持ちが昂りすぎたかもしれない。たしかに今の気分は良いけど、まだ何も成し遂げられていない。今も目の前のミッションは変わらない。木曜日に、ボストンで再び素晴らしいプレーをしたい」
自分たちが作り上げたシステムで、新たな選手が躍動する姿を目の当たりにしている感想を求められたトンプソンは「こんなに特別なことはない」と答えた。「周りの意見に耳を貸して、役割を受け入れるのは、このリーグで成功を収めるために重要なこと。今日の試合でアンドリューが相手の選手越しにダンクを決めた瞬間ほど、ウチの全員が興奮した瞬間はなかった。チーム全体だけでなく、ベイエリアの士気を高めた。それにジョーダン・プールもクラッチだった。ゲイリー・ペイトン2世も同様で、まだまだ活躍した選手の名前を挙げられる。ロスター全員が貢献したんだ」
この日の勝利により、カリー、トンプソン、ドレイモンド・グリーンのトリオは、スパーズに黄金期をもたらしたトニー・パーカー、ティム・ダンカン、マヌ・ジノビリがファイナルで記録した19勝を抜き、ファイナルで20勝目を記録した。過去50年のNBAファイナルで最多勝利を収めたトリオになったことを聞いたトンプソンは「光栄なこと」と言いつつ、「あと1勝できなかったら意味がない」と気を引き締めた。
「彼ら3人(パーカー、ダンカン、ジノビリ)は、史上最高の選手たち。僕が生まれてからずっとプレーしていた印象だし、自分が子供の頃からやっていた気がする。そんな選手と肩を並べることができたなんて光栄だね。だけど、あと1勝できなかったら意味がない。もしこのシリーズを勝って締めくくることができたら、僕たちのレガシーに加わる」