第3クォーターを24-35と圧倒されるが、リズムを取り戻す
2勝2敗のイーブンで迎えたウォリアーズvsセルティックスによるNBAファイナル第5戦、ホームのウォリアーズが104-94で勝利し、4年ぶりのNBA優勝に王手(3勝2敗)をかけた。
カリーが第5戦の前日会見で「あと2勝するのに必要なのはディフェンスだし、高いインテンシティ」と語っていたように、ウォリアーズは出だしからハードな守備に、ボールをよく動かしたオフェンスで主導権を握った。守備の要、ドレイモンド・グリーンを中心に固い守りを見せ、開始3分でセルティックスから2ターンオーバーを誘発。さらに、ペイント内に簡単に入れさせないチームディフェンスで相手にタフショットを打たせては、アンドリュー・ウィギンズがリバウンドを取ってポゼッションを奪うことで、開始5分間で12-4とした。
両チームともになかなか3ポイントシュートが当たらなかったが、その中でもウォリアーズはステフィン・カリーとグリーンのピック&ロール、そしてクレイ・トンプソンがディフェンスを引き寄せては、ベンチから出場したゲイリー・ペイトン2世がコーナースリーを沈めてリードを16点にまで広げた。
しかし、セルティックスも第1クォーター前半は無得点に終わり、ベンチに下げていたエースのジェイソン・テイタムをコートに戻すことで、スコアが動き始める。テイタムは自ら積極的にリングにアタックして、シュートを沈めていき、セルティックスが11点差まで詰めて第1クォーターを終えた。
ウォリアーズが27-16とリードして迎えた第2クォーター。第1クォーターとは打って変わって、ウォリアーズは開始約6分間でフィールドゴールが8本中わずか1本成功のみとオフェンスが停滞。対してセルティックスは、テイタムのジャンパーにマーカス・スマートのアタック、そしてスマートのノールックパスからロバート・ウィリアムズ三世がゴール下を沈めて8-0のランで6点差まで詰めた。
4分間ほどスコアが動かなかったウォリアーズだが、グリーンのドライブにウィギンズの3点プレーとなるバスケット・カウントで再びリードを2桁に戻し、51-39で前半を終えた。
後半の出だし、ブラウンがスティールからの速攻でフリースローをもらい、続くポゼッションではセルティックスが24秒バイオレーションを奪う。さらにテイタムの連続3ポイントシュートで10-0のランを決めたセルティックスが開始1分45秒で2点差(49-51)まで追い上げた。その後、ウォリアーズにも後半初得点が生まれたが、テイタムとスマートの3ポイントシュートにより残り約7分でセルティックスが同点に追いつくと、続くポゼッションでもアル・ホーフォードが3ポイントシュートで続き、残り6分半にセルティックスが逆転(58-55)した。
しかし、ウォリアーズもトンプソンが2本、ジョーダン・プールも1本の3ポイントシュートを成功させてセルティックスに食らいつく。そして、第3クォーター終了のブザーとともにプールが放ったディープスリーが決まり、ウォリアーズが75-74とリードを取り戻して、最終クォーターへ。
第4クォーターの立ち上がり、再び守備の強度を上げたウォリアーズがウィギンズのコースト・トゥ・コーストにプールのフリースロー、そしてトンプソンの3ポイントシュートなどで、9-0のランで85-74とリードを広げる。一方のセルティックスはターンオーバーが相次ぎ、フリースローを獲得しても決め切ることができず流れをつかめない。その後も、ウィギンズの豪快なダンクにトンプソンの3ポイントシュートも飛び出したウォリアーズが第4クォーターを29-20し、最終スコア104-94で勝利した。
ウォリアーズはカリーが16得点を挙げたが3ポイントシュートは9本すべて失敗と苦しんだ。その中で、ウィギンズがチームハイの26得点と13リバウンド2アシスト2スティール1ブロックと攻守にチームを牽引した。また、チームとしても3ポイントシュートが当たらず苦しんだ中で(40本中9本成功)、トンプソンが11本中5本の3ポイントシュート成功を含む21得点と3リバウンド2アシスト2スティールで貢献。他にもベンチから出場したペイトン2世とプールがともに2桁得点を記録して第5戦を制した。
一方のセルティックスはテイタムが3ポイントシュート9本中5本成功を含む27得点を記録し、先発の4選手が2桁得点を挙げたが、ターンオーバーが18本にまで増え、そこから22失点(ウォリアーズは7ターンオーバー)となり、崖っぷち状態となった。